FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

勇者「ドーナツの世界?!」 第6話

265 以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 21:53:56 ID:LTZ6xAAk
第6話 淫されていく想い
~客船~
勇者「僧侶さん、魔法使いちゃんは?」

僧侶「図書室で魔法医学の勉強をしています」

勇者「そうなんだ。最近、本当によく頑張ってるよね」

僧侶「天使に期待していると言われたのが、かなり効いているみたいです。魔術書もいろんな論文に目を通しているみたいだし、将来が楽しみですよね」


海の都を出発して、二週間。
魔法使いは女賢者になるべく、本格的に魔法医学の勉強を始めた。
今は基礎勉強中で、必要に応じて僧侶が教えている。


勇者「そうだね。ところで、来週には南の都に着くだろ。やっぱり魔法使いちゃんには、街に残ってもらうほうが良いんじゃないかと思うんだ」

僧侶「それなら、一緒に行くことに決まったじゃないですか。天使は私たち三人を指名しています。それは女神の意思でもあるので、別行動は良くない結果を招くことになると思います」

勇者「やっぱりそうか……」


266
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 22:20:06 ID:LTZ6xAAk
勇者「それはそうと、僧侶さんは何をやってるの?」

僧侶「ペントミノを積み上げて、直方体にしています」カチャカチャ

勇者「それって、枠に収めて遊ぶだけじゃないのか」

僧侶「1単位が立方体のペントミノは、積み木のようにして遊べるんです。ほらっ、出来ました♪」

勇者「ほんと、僧侶さんはいつも楽しそうだな」

僧侶「そう見えますか? 私だって、いろいろ悩みがあるんですよ」

勇者「たとえば?」

僧侶「それは、その……//」


僧侶は勇者を見詰めて、顔を赤らめた。
海の都で訓練施設を利用したとき、大天使ガブリエルが神託を伝えるために会いに来た。
それは女神に期待されている証拠だし、そんな彼のことが素敵だと思う。
気心も知れてきたし、この抑えている気持ちを伝えてしまいたい。

だけど、踏み切れない。
返事が怖いと言うよりも、魔法使いのことが気掛かりだからだ。


267
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 22:20:06 ID:LTZ6xAAk
僧侶「……」

僧侶「勇者さま、一緒にペントミノ牧場を考えませんか」

勇者「今、ごまかした?」

僧侶「すみません。ちょっと言いにくいことなんです」

勇者「そっか、私的な悩み事なら仕方ないな。それで、ペントミノ牧場はどんな遊び方なんだ」

僧侶「ピースを柵に見立てて、一番大きな牧場を作るんです」

勇者「なるほど……。あれっ、意外と難しいぞ」

僧侶「あまり欲張りすぎると、柵が届きませんよ」

勇者「分かってるけど、その加減が難しいんだよな」

僧侶「だって、パズルですから。この広い世界の中で、私たちがいつも幸せに過ごせるようになったら素敵ですよね//」カチャカチャ

勇者「そうだな。そのためにも、南の調査を早く終わらせないといけないな」

僧侶「ふふっ、そうですね//」


268
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 22:29:31 ID:LTZ6xAAk
~南の都~
一ヶ月余りの船旅が終わり、ようやく南の都に到着した。
聞いた話によると、この都は魔術の研究が盛んな街らしい。
私はそのことを思い出し、街を見渡した。


魔法使い「ここって、魔術の研究が盛んな街ですよねえ。魔術書を何冊か買って、村に送ってもらうことって出来るんでしょうか」

勇者「魔法使いちゃん、頑張ってるね。資金に余裕があるし、好きな書物を買って大丈夫だよ」

魔法使い「ありがとうございます。それにしても、どうしてこんな場所で魔術の研究をしているんでしょうね」

勇者「どうしてって?」

魔法使い「だって、今は白夜の季節かもしれないけど、もうすぐ日が沈むようになって極夜の季節が来るじゃないですか。そうなると、すごく研究しづらいと思うんです」

勇者「言われてみれば、そうだよな」

僧侶「その昔、白夜や極夜は呪術的な現象だと信じられていたんです。だから、その名残だと思いますよ」

魔法使い「あっ、そういうことだったんですね。言われてみれば、呪術的なものを感じる気がします」


269
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 23:04:01 ID:LTZ6xAAk
勇者「呪術的なもの?」

魔法使い「はい。何だか違和感を感じるんです」

勇者「それって、神の遺産に込められている魔力と同じものなのか?」

魔法使い「いえ、神の遺産とは違うものです」

勇者「だったら、あまり気にする必要はなさそうだな。ここは魔術の研究が盛んな街だし、呪術の研究をしている人がいるってことだろ」

魔法使い「そうかもしれないですね」


違和感はあるけれど、そう言われるとそんな気がしてきた。
街全体が呪術的なものに包み込まれているようだし、それだけ魔術の研究が盛んに行われているのだろう。
私もいつか、新しい魔術の研究をしてみたいな。


勇者「それじゃあ、泊まる宿を探そうか」

僧侶「ガイドブックによれば、あの旅館の白夜温泉と魚料理がおすすめだそうですよ」

魔法使い「だったら、そこに決まりですね。お魚、楽しみです」

勇者「じゃあ、そこにしようか」

魔法使い「はいっ♪」


270
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 23:13:46 ID:LTZ6xAAk
~宿・部屋~
僧侶「魔法使いちゃん、見てみて。この窓、南向きだから白夜を満喫できそうだよ。遮光カーテンも付いているし、観光客のニーズに応えた間取りだよね」

魔法使い「ですね~。日が沈まないときに来られて良かったです」


北半球では太陽が南側に昇っていくが、南半球では北側に昇っていく。
つまり南半球では、夜の間は太陽が南側にあることになる。


僧侶「今夜は白夜の観測をしましょうか」

魔法使い「それ、いいですねえ」

勇者「ところで二人とも、明日の予定なんだけど良いかな」

僧侶・魔法使い「はい」

勇者「俺は明日、この国の王様に会いに行くから、二人は自由行動。明後日は、みんなで買出しをしようと思う」

僧侶「分かりました」

魔法使い「了解です!」

勇者「じゃあ、今から観光に行こうか」

魔法使い「そうですね。今日のうちに、本屋さんと雑貨屋さんを見つけておきたいです」ルンルン


271
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 23:34:41 ID:LTZ6xAAk
~街中~
勇者「この街は24時間営業の店が多いんだな」

僧侶「やっぱり明るいからじゃないですか」

勇者「そういう土地柄だもんな。でもさあ、日が昇らなくなったらどうするんだろ」

僧侶「やっぱり、24時間営業じゃないですか。ずっと休業なんてことになったら、住んでいる人々も困るでしょうし」

勇者「まあ、そうだよな」

魔法使い「私たちの国にも、こういうお店があれば便利ですよね」

僧侶「急に何かが必要になったとき、何でも揃っているお店が開いてたら便利だしね。例えば、道具屋さんとか」

魔法使い「そこに甘い物も売っていれば、言うことなしだと思います」

僧侶「いいわねえ♪ そんなお店、出来ないかなあ」

魔法使い「勇者さま、雑貨屋さんがありましたよ」

勇者「じゃあ、行ってみようか」


272
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 23:51:29 ID:LTZ6xAAk
~雑貨屋~
店主「いらっしゃいませ」

魔法使い「僧侶さん、色んな知恵の輪が置いてありますね。あっ、九連環ですよ。これっ!」

僧侶「どれどれ? ほんとだ。神の遺産も売ってるんだ」

店主「当店では魔道師の方々のニーズに応え、魔道具や民芸品などを幅広く取り揃えております」

僧侶「九連環、触っても良いですか?」

店主「見本なら大丈夫だよ」

僧侶「ありがとうございます」カチャカチャ


273
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/20(日) 23:51:29 ID:LTZ6xAAk
勇者「僧侶さん。神の遺産ってことは、何か意味があるの?」

僧侶「この九連環の解き方なんですけど、前から三番目の輪を外すためには、この二番目の輪の下を潜らせないと外せないですよね」

勇者「そうだね」

僧侶「そして四番目の輪を外すためには、同じく三番目の輪の下を潜らせないと外せない。後は、この手順の繰り返しです。というわけで、九連環は献身や協調性の大切さを教えてくれるパズルなんです」

勇者「ふぅん。でもこの知恵の輪、口で聞くと簡単に解けそうだけど、実際にすると難しそうだな。どう考えても、五番目の輪を外せる気がしない」

僧侶「だから、人を思いやることは難しいんです。私たちも大切な人のために何が出来るのか。それを考えられる人になりたいですね//」

勇者「大切な人か……」


274
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 00:04:46 ID:XhUo2.6o
魔法使い「すみません。これは何でしょうか?」


私は『チャレンジ』と書いてある箱を見つけて、店主さんに声を掛けた。
その箱の中には、手作りの知恵の輪と砂時計が入っている。
知恵の輪の形状は8の字型で、針金の両端を輪にして曲げ、その中を針金が通ることで見た目は閉じられているようだ。
さらに、毛糸の両端を結んだだけの輪が知恵の輪に通されている。


店主「それはチャレンジ知恵の輪だよ。この砂時計の砂が落ちるまでに紐を外せたら、商品を一つ3割引きにします」

魔法使い「何でも安くしてもらえるんですか?!」

店主「もちろんです。ただし、1回限りの挑戦となります」

魔法使い「分かりました。頑張ります!」

店主「では、スタートです」


店主さんはそう言って、砂時計をひっくり返した。


275
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 00:21:01 ID:XhUo2.6o
魔法使い「これ、すごく難しいですね……」

僧侶「店主さん。この8の字知恵の輪から、紐の輪を外せばいいのですか?」

店主「そうだよ」

僧侶「……でもこれ、インチキですよね」

店主「!! な、何を根拠に!」

僧侶「8の字知恵の輪は、両端の輪で閉じる場所によって2種類作れます。これは外せない作り方です」

店主「それに気付いたところで、お客に損はないだろ。ちょっとした遊び心じゃないか」

僧侶「インチキだと認めましたね」ニコッ

魔法使い「なるほど。インチキパズルの紐を外すには、結び目をほどくしかありませんよね」

店主「!!」

魔法使い「砂時計が落ちるまでに紐を外すことが出来ました~」ルンルン

僧侶「ちゃんとサービスしてくださいね♪」

店主「お嬢ちゃんたちには負けたよ……」ガックリ


276
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 00:30:36 ID:XhUo2.6o
勇者「おっ、割引きしてもらえるんだ。ところで、このチリ人の輪って、どうやって外すの?」

僧侶「すみません、それはとても難しい知恵の輪なんです。この自在に動く二つのパーツを利用すれば、リングを外せると思います」

勇者「そういう感じには見えないけどなあ」

魔法使い「リングが中にあるように見えて、実は同時に外でもあるんですよね」

勇者「中にあるように見えて、実は外にある……か」

魔法使い「そうです。主観が絶対ではないことが分かりますよね」

勇者「どうしても、この知恵の輪だけは外したいっ!」

僧侶「勇者さまもパズルの楽しさが分かってきましたね♪ ここは良いものが多いので、いくつか買って帰りましょうよ」

店主「ありがとうございます。一つだけ3割引きにしますよ!」

僧侶「安い知恵の輪で割引特約を使う訳ないじゃないですか。もちろん、魔道具を見てから考えます」

店主「そ、そうですな。お買い物をお楽しみくださいませ」


277
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 00:37:26 ID:XhUo2.6o
魔法使い「僧侶さん、魔封じの腕輪や賢者の石なんて高級品がありますよ!」

僧侶「その賢者の石は純度が低い中クラス品だよ。さっきのパズルのことがあるから、魔道具選びは慎重にね」

魔法使い「は~いっ」

店主「……」

僧侶「勇者さま、この転移の羽を魔法使いちゃんに買いませんか?」

勇者「転移の羽?」

僧侶「魔力を解放すると、一度行ったことのある場所に転移することができる魔道具です。これをエルグの村に行けるように設定しておけば、魔法使いちゃんだけは無事に帰らせることが出来ます」

勇者「そうだね。極南の地には何があるか分からないし、絶対に必要なものだな」


278
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:05:59 ID:XhUo2.6o
魔法使い「勇者さま、本当に良いのですか?! だってそれ、ものすごく高級な魔道具ですよ!」

勇者「俺たちにとって、魔法使いちゃんの無事が一番重要なことだからね。砂漠の富豪さんから受け取った報酬がたくさん残っているし、一つくらいなら大丈夫だよ」

魔法使い「あ、ありがとうございます!」

店主「それを安く買うとはお目が高い……」アセアセ

勇者「ははっ、サービス助かるよ。じゃあ、転移の羽と知恵の輪で」

店主「ありがとうございました」

僧侶「とても良い買い物をしましたね~。浮いたお金で、白夜まんじゅうを食べませんか?」ルンルン

勇者「そうだね。あの喫茶店に寄っていこうか」


小腹も空いてきたことだし、私たちは喫茶店に向かった。
そして観光を楽しんで宿に戻ったときには、すでに夕食の時間になっていた。


279
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:12:36 ID:XhUo2.6o
~部屋・夜~
僧侶「温泉育ちのお魚、美味しかったです」

勇者「メインの鍋をポン酢で食べるのが、あっさりしてて良かったね」

魔法使い「から揚げも美味しかったですよ」

勇者「ところで、明日はどうするか決めたの?」

魔法使い「魔術師の街というだけあって、本屋さんや図書館が充実していたので入り浸ります」

僧侶「行きたい喫茶店もあるし、明日が楽しみだね」

魔法使い「日が沈まないから、明日って感覚があまりしないですけどね」

僧侶「それじゃあ、魔法使いちゃん。そろそろ、百夜温泉に行きましょうか。ここは白夜にちなんで混浴らしいよ」

魔法使い「混浴? よく分からないけど、露天風呂から見る百夜も楽しみです♪」

僧侶「それでは勇者さま、お風呂に行ってきます」

魔法使い「行ってきます♪」


280
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:18:02 ID:XhUo2.6o
~露天風呂・混浴~
露天風呂には誰もいなかった。
もしかすると、極南の地に近いことで客が少ないのかもしれない。
私は開放感を感じながら、空を見上げた。


魔法使い「もう夜なのに明るいって、本当に不思議ですよね~。何だか神秘的です」

僧侶「さっきから、そればっかりだね。ところで魔法使いちゃん、今日も研究を手伝ってくれる?」

魔法使い「はい」


私は僧侶さんの前に座り、背中を預けた。
魔力や魔法の源が別の世界にあるならば、人はそれをどうやって引き出しているのか。
それを解明すれば、封印魔法を使えるようになるらしい。


僧侶「もうちょっと抱き寄せるね」ぎゅっ

魔法使い「……//」


281
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:22:30 ID:XhUo2.6o
僧侶「じゃあ、一発ドカンと決めてくれる?」

魔法使い「分かりました。水精霊と風精霊で、あの雲を散らしますね」

僧侶「地味だけど、すごいんだよねえ」

魔法使い「もちろんです。それでは、いきます!」


ボォォンッ


僧侶「わわっ、すごい!! これって、天気を操れるんじゃないの?」

魔法使い「天気を操ろうと思ったら、魔力が空っぽになっても無理ですよぉ」

僧侶「局地的なら行けるんじゃないかな。じゃあ、次は継続的な魔法をお願いね」

魔法使い「はい。風精霊さん、涼しい風をお願いします」ソヨソヨ


282
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:24:53 ID:XhUo2.6o
僧侶「やっぱり、脳が魔法の発動に関わっているみたいね。客船で何人か調査してみたけど、魔法を使える人と使えない人では脳の構造に微妙な違いがあるみたいなの」

魔法使い「そうなんですか?」

僧侶「何て言うのかな、魔法を少しでも使える人には、一箇所だけ不自然な部位があるんだよね」

魔法使い「不自然な部位?」

僧侶「魔法を使おうとすると脳がとても活発になるんだけど、そのときに魔力が収束されて、そのまま消えてしまう部位があるの」

魔法使い「それが世界の扉じゃないんですか?」

僧侶「私もそう思う。だけどね、そこから先が問題なのよ」

魔法使い「問題って何ですか?」

僧侶「過去の研究で、その部位が欠損していても魔法を発動させることが出来ることが確認されているの」

魔法使い「そっか。堕天使しか使った事例がないし、それで研究が止まっちゃったんですね」


283
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/21(月) 22:37:06 ID:XhUo2.6o
僧侶「あのとき、天使が『魔法のエネルギーをどうやって調達しているんだろうね』ってことを言っていたでしょ。私はヘクソミノが示す別世界から調達しているんじゃないかと思うんだけど、魔法使いちゃんはどう思う?」

魔法使い「私もそうだと思います」

僧侶「じゃあ、別世界から調達した魔力が収束して消えるのは、どうしてだと思う?」

魔法使い「魔力を消費しているかもしれない場所がなくても、魔法は使えるんですよね。だったら脳は関係なくて、今度は別世界に戻っているんじゃないですか」

僧侶「だとしたら、転移魔法の範疇に入るよね。魔力を収束させて脳が消費しているのではなくて、収束した魔力を別世界に干渉させていることになるから」

魔法使い「別世界に干渉って、どういうことなんですか?」

僧侶「だって、魔法は魔力が消えた後に発動するでしょ。つまり魔法のイメージとともに魔力を別世界に干渉させて、魔法を発動させていることになると思うの」

魔法使い「それなら転移魔法で魔力を干渉できないようにすれば、見掛け上は封印魔法になりますよね」

僧侶「どう考えても、転移魔法か――。ありがとう、サクッと勉強してみるよ」

魔法使い「やっぱり封印魔法は難しいのですね。魔法医学を極めるのでさえ大変なのに、さらに空間転移系の魔法まで覚えないといけないだなんて」

僧侶「そう考えると、天使の知識は人間を軽く超えてるんだなって畏怖しちゃうよね」

魔法使い「はい……、すごいです」


284
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 20:21:25 ID:BNWysf3o
勇者「ふうん、二人はお風呂でそんな話をしているんだ」

僧侶「わわっ!!」

魔法使い「きゃあああぁぁぁっ!!」


勇者さまが隣にいることに気付き、私たちは悲鳴を上げた。
そして、慌てて胸を隠す。
どうして、勇者さまがここにいるの?!


魔法使い「ゆ、勇者さま。ここは女湯ですよ//」

勇者「いやいや、僧侶さんが混浴だと言ってたじゃないか。ほら、あそこ見て」

魔法使い「だ、脱衣所が繋がってます!」

僧侶「じゃ、じゃあ混浴というのは……」

勇者「白夜にちなんで昼と夜の区別がない、つまり男と女の区別がないという意味だと思うけど」

魔法使い「ええぇぇっ! い、いつから居たんですか?!」

勇者「雲を消す辺りから。魔法の研究をしているみたいだったし、邪魔したら悪いなって思って……」

僧侶「というか、知ってましたよね?」

勇者「ははっ、ま、まさかぁ。二人がいて、びっくりしたよ」アセアセ


285
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 20:44:13 ID:BNWysf3o
魔法使い「うぅ、もういいです。私の裸をたくさん見ましたよね? 見ましたよねえ!」

勇者「それは……、見ました。ご、ごめんなさい」

魔法使い「じゃ、じゃあ、勇者さまの裸も見せてください//」チラッ

勇者「ええっ?!」

僧侶「いやいやいや。魔法使いちゃん、それは駄目ですっ」

魔法使い「魔法医学の勉強で、男性の身体構造と生体エネルギーの分布が図解では理解できなくて……。そ、それで勇者さまなら//」

僧侶「ちゃんと理解すれば、裸にならなくても生体エネルギーの分布が分かるようになるんだけど。実技研修のたびに、殿方に脱いでもらう訳にはいかないでしょ」

魔法使い「それはそうだけど、男性のイメージが全然湧かないんです」

僧侶「お父さんと一緒にお風呂に入ったことはないの?」

魔法使い「小さい頃は入っていたのかもしれないけど……」

僧侶「じゃあ、その課題は基礎知識がほとんど身に付いていないんだ。何も言わないから、もう分かっているものだと思ってた」

魔法使い「それで僧侶さんがお風呂で私を抱き寄せるのは、魔力分布を詳しく把握するためですよね。それと同じで――」

僧侶「はいはい、分かったから。私も最初は理解できなかったし、見たほうが手っ取り早いのは確かだよね」

魔法使い「そ、そうですよね//」


286
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 21:18:49 ID:BNWysf3o
僧侶「でも、生体エネルギーの分布は読めるようになったの?」

魔法使い「それはもう完璧です」ブイッ

僧侶「えっ、魔法医学の勉強を始めてまだ一ヶ月でしょ。じゃあ、もしかして回復魔法のステップに入ってるの?」

魔法使い「はい。軽い創傷はもう治せるようになりました。でも血管の処理が難しくて、上手く出来ないときもあるけど……」

僧侶「すごいじゃない! 結合組織の中でも血管の理解は回復魔法の基礎だから、まずはそこをしっかりね」

魔法使い「はい」

僧侶「それが出来るようになったら、次のステップかな」

魔法使い「まだまだ先は長いですね」

僧侶「だけど、一ヶ月で回復魔法を使えるって、すごいことだと思う。そこまで出来ているなら、殿方の身体構造を見ておかないと性差が出てきたときに苦労するかも……」

魔法使い「ですよね//」

僧侶「本当は駄目だけど、あ……あくまでも学問のためだから、今回だけは特別に許可をして、さらに特別に許してあげるんですからね」


287
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 21:59:03 ID:BNWysf3o
勇者「あれっ、許しちゃうんだ……」

僧侶「さっきの話、聞いてましたよね?」

勇者「それは、まあ」

僧侶「変な意味ではなくて、純粋に魔法医学の実技研修のために、男性モデルになってくださいとお願いしているだけですから。他のお客さんが来る前に、さくっとやりましょう!」

魔法使い「恥ずかしいけど、勇者さまなら信じられます。協力してください//」

勇者「分かったよ。魔法使いちゃんがずっと頑張っているのは知ってるし、そのモデルって何をすればいいの?」

魔法使い「裸のままで洗い場に移動してください。大鏡が一枚あったので、そこにお願いします//」

勇者「……分かった」


勇者さまはそう言うと、洗い場に移動してくれた。
そして私も移動して、勇者さまと向かい合う。

目の前には、憧れの人が裸で立っている。
そう思うと目のやり場に困ってしまい、ついつい下半身をまじまじと見詰めてしまった。
初めて見る、本物の男性器。
そのせいで心臓がドキドキと脈打ち、もう何が何だか分からなくなってきた。


288
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 22:30:52 ID:BNWysf3o
勇者「魔法使いちゃん、大丈夫?」

魔法使い「あわわ、だ……大丈夫です。男性の陰茎って、本当にカメさんみたいなんですね// 包皮がめくれて、ぴょこって頭を出しているみたいです」

勇者「そんな風に言われると、少し困るんだけど。これはただの勉強だし、冷静に早く淡々と終わらせよう」

魔法使い「そ、そうですよね」


そうだ、これはただの勉強だ。
私は気持ちを切り替えて、大きく深呼吸をした。
そして、勇者さまに抱きついた。
胸が当たり、男性器が下腹部に触れる。
それでも全身を密着させて、男性の身体構造を感じ取ることに意識を向けた。


勇者「えっ、ちょっと!」

魔法使い「すみません、動かないでください」ギュッ

勇者「ご……ごめん」


289
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 22:34:52 ID:BNWysf3o
魔法使い「やっぱり、女性とは骨格や筋肉量が違いますね」

勇者「それは、いつも鍛えているから」

魔法使い「身体付き以外に内分泌も違うし、ここも……」


男性と女性は外見だけではなく、内面がこんなにも違うとは思わなかった。
染色体や内分泌系に大きな違いがあり、それが性差の発現に繋がっているのだろうか。
難しくてよく分からないけど、こうして実際に男女の違いを感じると、本当に魔法医学は面白いと思えてくる。
生命や心はたくさんの謎に包まれていて、まるでパズルのようだ。


勇者「まだ終わらないのかな」

魔法使い「基本的な身体構造と精子形成の過程は、とりあえず確認が終わりました。それで次は、性反応を確認させてほしいんです」

勇者「そ、そうなんだ……」


290
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 22:39:42 ID:BNWysf3o
魔法使い「勇者さま、鏡のほうを向いてください」

勇者「えっ、ああ」


抱き締めていた腕を解くと、勇者さまは鏡のほうに身体を向けた。
そして私は背後に回り、後ろから抱き締めて右手を陰部に伸ばした。

まだ柔らかい陰茎を優しく握り、手を動かす。
すると、次第に手の中で大きくなってきた。
触ったことで勃起中枢が興奮し、反射性勃起が起きているのだ。


勇者「ちょっと待て。さすがに、そういう事はまずいだろ」

魔法使い「でも、硬くなってきましたよ。勇者さまは何も気にせず、気持ちよくなってください」


陰茎に血液が流れ込み、硬くなっていくのが分かる。
だけど、何だか反応が乏しい気がする。
そう思っていると、僧侶さんが歩み寄ってきた。


291
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 23:10:35 ID:BNWysf3o
僧侶「ねえ、勇者さま。今なら、私にエッチなことをしても良いですよ」

勇者「僧侶さん、それってまさか……」

僧侶「……はい。性的に興奮して射精することが、成人した男性モデルの役目なんです//」

勇者「いやいや、うれしいけど冗談だろ」

魔法使い「うれしいなら問題ないですよね。射精してください、お願いします」

僧侶「勇者さま、私たちはあくまでも教材なんです。魔法使いちゃんの将来のために、今はモデルに徹しましょう//」

勇者「じゃ、じゃあ、その大きなおっぱいを」

僧侶「あぅ//」

魔法使い「わわっ、完全に勃起して硬くなりました// こんなに早くて複雑な反応なんですね!」


大脳が性的に興奮して中枢神経を刺激し、それが陰茎海綿体の神経にまで伝わっている。
そして高まっていく性的興奮が、全身で様々な身体反応を引き起こしていく。
その反応はとても顕著だった。

だから、気付いてしまった。
さっきまで、勇者さまが私に興奮していなかったことに――。


292
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 23:25:14 ID:BNWysf3o
僧侶「魔法使いちゃん。殿方の生体エネルギーの分布が、性的な興奮でどう変化していくのかよく覚えておいてね。もちろん、全身の反応もすべて読み取るのよ」

魔法使い「は、はいっ。勇者さま、もう少し抱き締めます」ギュッ

僧侶「――で、その変化が安定したら脊髄にある射精中枢が反応して、射精反射が発生するから。男性器の変化は早いし、気をつけてね」

魔法使い「あっ、先っぽから何か出てきましたよ。へぇ、ここから分泌されてるんだ」

僧侶「ねえ、勇者さま。私の大切なところも触って欲しいです//」


僧侶さんはあまい声で言うと、勇者さまに背中を預けた。
そしてその期待に応えた勇者さまが、大陰唇の割れ目に指を滑り込ませた。


勇者「初めてでよく分からなくて、こんな感じかな」

僧侶「あぅんっ……// 勇者さま、そう、そこ……そんな感じ」ビクッ


勇者さまの指が陰核や小陰唇に触れて、僧侶さんが身を捩じらせた。
性的に興奮してきたらしく、陰核と陰核脚が充血してクリトリスが勃起している。
そして膣粘膜下の毛細血管に大量の血液が流れ込み、膣壁から分泌液が染み出してきた。


勇者「びくって、僧侶さん感じてるんだ。すごく濡れてきたよ」クチュクチュ

僧侶「はぃ……気持ちいいです//」ハァハァ


294
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 23:35:30 ID:BNWysf3o
僧侶さんが本気で興奮していることを感じ取り、私は勇者さまへの刺激を強めることにした。
そして少しでも気持ちよくして、たくさん射精させてあげたいと思った。

私の気持ちが届かないのなら、せめて私が勇者さまを射精させた初めての女性になりたいからだ。
そうすれば、きっと私のことが忘れられなくなる。
射精をするたびに、私のことを思い出すようになる――。

その思いが届いたのか、精子が移動を始めた。
睾丸が吊り上り、精管がうねうねと動いている。


魔法使い「あっ、ついに脊髄反射が来ましたよ!」

勇者「ちょっと待って、それ以上されると」

魔法使い「今、分泌液と混ざって精液が作られています。もう出すしかないですよ。私でたくさん気持ちよくなってください//」

勇者「魔法使いちゃん、イクっ!」

魔法使い「うん// 見てるから、いっぱい出して!!」


前立腺下部の尿道に精液が充満していき、ついに尿道をせき止めていた括約筋が開放された。
そして前立腺が収縮し、精液が一気に押し出されて勢いよく飛び出してきた。
さらに括約筋が収縮を繰り返し、圧力を溜め込んでドピュドピュッと射出される。

勇者さまを射精させた喜びと、生命の誕生に関わる射精の仕組み。
それに感動して、私は興奮を隠せないでいた。


295
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/22(火) 23:46:18 ID:BNWysf3o
魔法使い「わわっ、精液って飛び出すんだっ! す、すごいです!」

僧侶「ほら、一緒に興奮しない。殿方は射精したらすぐに醒めるから、身体反応の確認をしておいて」

魔法使い「えっ、あっはい。ごめんなさい」アセアセ


私は深呼吸をして、気持ちを切り替えた。
そして勇者さまを抱き締め、意識を集中させた。


僧侶「どう、分かる?」

魔法使い「何かの酵素が影響して、男性器への血流量が変化しています。それと、脳内で新たにホルモン分泌がされているみたいです。あとは少し難しいです」

僧侶「そこまで分かるって、すごいじゃない。じゃあ、最後に精液を確認してね」


勇者さまが出した精液は、僧侶さんが手で受け止めていたらしい。
それは乳白色の液体で、私の右手にどろりと流れ落ちた。


296
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/23(水) 22:58:24 ID:46UAt9kY
魔法使い「あっ、すごく温かい……」


私は精液を受け取り、感嘆の声を漏らした。
たくさんの精子が、私の手の平の上で元気に泳いでいる。
そして、新しい生命を届けるために頑張っている。
勇者さまの精液には、こんなにも熱い想いが込められているのだ。

しかし、今の私では勇者さまの精液を受け入れることは出来ない。
だから女賢者として、勇者さまの精液を受け止めようと思った。


僧侶「魔法使いちゃん。難しいかもしれないけど、分泌液の役割や成分、精子の構造をしっかり観察してね。魔法医学を究めるためには、それも大切なことだよ」

魔法使い「はいっ、頑張ります!」


298
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/23(水) 22:58:24 ID:46UAt9kY
・・・
・・・・・・
僧侶「勇者さま、私たちは湯船に戻りましょうか」

勇者「そうだな。その……魔法使いちゃん、勉強頑張って」

魔法使い「は、はいっ//」


精液と向き合っている魔法使いを見遣り、二人は湯船に戻った。
僧侶が湯船につかり、その隣に勇者が移動する。


勇者「ところで僧侶さん、このあと二人で飲みに行かないか。雰囲気の良さそうなお店があっただろ」

僧侶「うれしいけど、今夜は魔法使いちゃんと復習をしたいので無理です。それに身体を許したのは学問のためですから、勘違いしないでくださいね」

勇者「勘違いしないでって言うけど、それは僧侶さんの本心じゃないよな。今回、別に身体を許す必要はなかったはずだし」

僧侶「それはその……」

勇者「俺は僧侶さんのこと、ちゃんと好きだから――」

僧侶「その気持ち、とてもうれしいです// でも、少しだけ考えさせてください。魔法使いちゃんがいますし、彼女の気持ちと向き合う時間が必要なんです……」

勇者「そっか、分かったよ」


299
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/23(水) 23:07:58 ID:46UAt9kY
僧侶「そう言えば、勇者さま。魔法使いちゃんの手で射精しましたよねえ」

勇者「あれは不可抗力というか……」

僧侶「それが目的だったので怒っていません。魔法使いちゃんは、勇者さまなら信じられると言いました」

勇者「……ああ」

僧侶「どうか、それを裏切らないであげてください。魔法使いちゃんは勇者さまのことを慕っているので、どんなことでも嫌がらないと思います。だからこそ、彼女の気持ちを性的なことに利用しないで欲しいんです」

勇者「言われなくても分かってる。俺にとって魔法使いちゃんは、妹みたいなものだから」

僧侶「だったら、なおのことお願いします」


僧侶はそう言うと、勇者の手を握った。
そして魔法使いの視線を気にしつつ、そっと唇を重ねた。
柔らかな唇が触れ合い、火照っていた身体が再び熱を帯びてくる。

どうして、こんなにも気持ちが高揚してくるのだろうか。
今まで抑えてきた気持ちが、このままでは溢れてしまいそうだ。
それは、混浴露天風呂の雰囲気に飲まれているせいなのかもしれない。
僧侶ははやる気持ちを押さえ、魔法使いに見咎められる前に身体を離した。
心のざわめきは消えそうにない。


301
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/23(水) 23:47:05 ID:46UAt9kY
・・・
・・・・・・
魔法使い「あっ……」


精液の観察を終えて顔を上げると、勇者さまと僧侶さんが身体を寄せ合っている姿が鏡越しに見えた。
まさか私が見ていないと思って、エッチなことをしているのだろうか。
しかしそれは勘違いだったらしく、二人の身体はすぐに離れた。

だけど、二人がいい雰囲気だったことはさすがに分かる。
やっぱり胸が大きくて優しい僧侶さんのほうが、まだ子供の私よりも、勇者さまに相応しいのかもしれない。
そう思うと、ふつふつと妬ましい気持ちが沸き起こってきた。

しかしそんな気持ちは持て余すだけで、どうすることも出来ない。
私は感情を抑え込み、いつも通りの笑顔で湯船に向かった。


302
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 00:20:19 ID:Uu9qq1KE
魔法使い「勇者さまぁ//」ジャブジャブ

勇者「魔法使いちゃん、終わったんだ」

魔法使い「はい、今日は協力してくれてありがとうございました。男性の性反応がこんなにも精巧で複雑だなんて、全然思ってもみなかったです。すごく勉強になりました!」

勇者「そう言われると、何だか恥ずかしいな」 

魔法使い「ちなみに私の手で射精したほうが、一人でするよりも気持ち良かったですか?」

勇者「そういうことは聞かない」

魔法使い「ふふっ、たくさん精液が出ていましたよね。すごく気持ち良かったこと、私には全部お見通しなんですよ//」

勇者「なっ……、女の子はそういうことも言わない!」

魔法使い「えへへ// また私にして欲しくなったら、遠慮なく言ってくださいね」

勇者「まあ、勉強で必要なら……ね」


303
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 00:23:58 ID:Uu9qq1KE
魔法使い「あの、僧侶さん。さっきは手伝ってくれてありがとうございました。勇気を出してお願いして、本当に良かったです」

僧侶「今回は特別に許してあげただけだからね」

魔法使い「……分かっています。それと僧侶さんの性反応は、やっぱり私と同じなんですね」

僧侶「えっ、そんなことまでしてたの?!」

魔法使い「女性の身体構造は自分の身体で分かっているので、二人分は少し疲れたけど簡単でした」

僧侶「へえ、すごいじゃない」

勇者「そんなことより、さらっとすごいことを言っていたような気が……。今どきの村娘って、そんなに経験が早いのか?!」

魔法使い「わ、私はまだ男性と交わったことはないですからっ! でも、私だって年頃の女性ですし、エッチなことをしたくなるときがあるんです//」

勇者「そうなんだ……。じゃあ、そういう時って一人で――」

僧侶「勇者さま。さり気なく、そういう事を確認しようとしないでください」プンスカ

勇者「ご、ごめん……」


304
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 19:55:22 ID:Uu9qq1KE
僧侶「ところで魔法使いちゃん、精液の観察はどうだったの?」

魔法使い「思っていた以上に難しくて、かろうじて構造を見ることが出来たって感じです」

僧侶「まあ、そうだよね。男性の生殖細胞については、私もすごく苦労した課題なんだよ」

魔法使い「そうなんだ。僧侶さんでも苦労したんですね」

僧侶「体細胞と違って、生殖細胞は染色体数が半分しかないでしょ。だから、すごく難しいの」

魔法使い「そういうことなんだ。言われてみれば、卵形成を観察する課題も難しいです」

僧侶「そういう訳だから、焦らずに頑張ってね。それで、何か気になったことってある?」

魔法使い「気になったことはたくさんあるけど、ここだと記録を取れないので後でお願いします」

僧侶「じゃあ、部屋に戻ったら復習をしましょうか。ちゃんと理解すれば、身体構造や神経作用が飛躍的に分かるようになるから」

魔法使い「はいっ、お願いします。人の身体って、神秘的ですごく面白いです!」


305
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 20:18:09 ID:Uu9qq1KE
勇者「それじゃあ、俺は先に戻ってるから」

魔法使い「勇者さま……。ここは混浴だし、明日から一緒に入りませんか」

勇者「いやいや、さすがにそれはマズイだろ」

魔法使い「知らない男の人に声を掛けられたら嫌だし、勇者さまに居てほしいんです。それに知らない女の人がいたら……」

僧侶「勇者さまは混浴の意味を知りつつ、わざと入ってきましたよねえ。それなのにマズイって言うのは、少しおかしくありませんか? 私も一緒に入りたいです//」

勇者「まあ、そこまで言うなら……」チラッ

魔法使い「わわっ、勇者さまがまた勃起しました//」

僧侶「えっ?!」

魔法使い「さっき出したのに、本当にエッチですねえ。もしかして、期待しているんですか」

勇者「はは……」

魔法使い「それじゃあ、私が手伝ってあげましょうか//」

勇者「いやいやいや、気にしなくても大丈夫だから」

魔法使い「でも、私と交わりたいから勃つんですよねえ――」


306
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 20:19:09 ID:Uu9qq1KE
僧侶「そうだ! 今夜から、勇者さまの更衣室を広げてあげましょうよ」

魔法使い「それでどうするんですか?」

僧侶「私たちが部屋にいても、一人でしやすくなるでしょ」

魔法使い「それが良いのかもしれないですね。私たちと一緒に入ったら、勇者さまが部屋で出来なくなるし」

勇者「俺は二人がいたら気になるんだけど……」

僧侶「私たちは一緒にお風呂に入って、勇者さまを射精させたのですよ。もう今さらじゃないですか。だから私たちの関係に合わせて、部屋の間取りも工夫しましょうよ」

魔法使い「そうです。いつでも出来るようになれば、時間の使い方も変わりますよ」

勇者「まあ、そうかもしれないな。じゃあ、部屋に戻ったら頼むよ」

魔法使い「はい、任せてください//」


309
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 22:49:46 ID:Uu9qq1KE
~部屋・深夜~
魔法使い「――つまり、回復魔法は自然回復しない創傷は治せないということですか?」

僧侶「そうだよ。回復魔法は自然治癒力を加速させる魔法なの。だから、瀕死の重傷や破裂した内臓は治せません」

魔法使い「そうなると、治癒魔法や蘇生魔法が必要なんですね」

僧侶「そうそう。治癒魔法は生体エネルギーを増幅させて、自然回復を超えた治癒をする魔法。蘇生魔法は失った生体エネルギーを取り戻して、身体機能を再生させる魔法なんです」

魔法使い「蘇生魔法は生き返らせる魔法じゃないんですか?」

僧侶「その生き返らせるというのが、そもそも間違っているの。生体エネルギーを取り戻せる身体でなければ、生きていられないでしょ」

魔法使い「それはそうですね」

僧侶「欠損した身体の修復はさらに高度な魔法だし、魂を失えば生き返らない。蘇生魔法があっても人の命は一つしかないということは忘れないでね」

魔法使い「はいっ」

僧侶「じゃあ、勉強はこれでお仕舞い。白夜を見ながら、もう休みましょ」


311
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 23:11:41 ID:Uu9qq1KE
勉強が終わり、私は窓から外を眺めた。
地平線すれすれの高度で、夕日のような太陽が輝いている。
そして、少し離れたところに三日月も見えていた。


魔法使い「太陽がちょうど真南に来ていますよ。三日月もさり気なくて良いですね」

僧侶「そうだね。白夜のときって、月も沈まないのかなあ。調べてみたら面白いかも」

魔法使い「ねえねえ、勇者さまも一緒に白夜を見ませんか♪」

勇者「んっ、ああ……。勉強、終わったんだ」


勇者さまに声を掛けると、生返事が帰ってきた。
チリ人の輪に夢中になっているらしく、こちらには興味がなさそうだ。
そう思っていると、僧侶さんが勇者さまに歩み寄った。


僧侶「チリ人の輪は外れそうですか?」

勇者「さっきから同じことの繰り返しで、外れる気がしないよ。これ、相当難しいな」カチャカチャ

僧侶「それはかなりの難易度で、私も答えを知りませんからね。勇者さまもあまり根を詰めずに、みんなで気分転換をしませんか?」

勇者「そうだなあ。疲れてきたし、俺も白夜を見ようかな」


312
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 23:27:52 ID:Uu9qq1KE
魔法使い「勇者さま、見てください。真夜中になっても、太陽が沈まないんですよ!」

勇者「それは知ってたけど、意外と低空飛行するんだな。実際に見てみるとやっぱり違うなあ」

魔法使い「みんなで見ると、すごく感動しちゃいますよね♪」

僧侶「そうだね。私たちの国では見られないし、旅の良い思い出になりそうだよね」

魔法使い「旅の思い出――か」


私はそう言うと、ふいに寂しくなった。
そう、この旅はいつまでも続かないのだ。

極南の地の調査が終われば、後は帰るだけになる。
そして国に帰れば、きっと容易には会えなくなるだろう。
その日は確実にやってくる。


313
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 23:38:43 ID:Uu9qq1KE
魔法使い「あの、勇者さま……。私たちは今、太陽が描く円の中にいるのでしょうか。それとも、円の外にいるのでしょうか」

勇者「もしかして、何かのパズル?」

魔法使い「いえ、そういう訳じゃないです」

勇者「普通に考えたら、ここは円の中だよね。太陽は地平線をぐるりと一周して、俺たちはその中にいるんだから」

魔法使い「円の中か……」

勇者「それがどうしたの?」

魔法使い「円の中にいるなら、私たちの絆は外れないですよね。あのお店にあった、インチキな知恵の輪と同じです」

勇者「魔法使いちゃん、それは少し違うかな」

魔法使い「えっ、違うってどういうことですか」

勇者「俺たちは、この知恵の輪と同じなんだ。中にいるように見えて、実は外にいるんだよ」

魔法使い「実は外……ですか?」

勇者「だから絆を深めあって、固く結びつくことが大切なんだ。そうしないと、絆がバラバラになってしまうから」

魔法使い「私たちはチリ人の輪なんだ……」


314
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/24(木) 23:49:21 ID:Uu9qq1KE
僧侶「勇者さま、外せないから言い訳ですか?」

勇者「良いことを言ってるんだから、茶化すなよ。というか、僧侶さんも外せないんだろ」

僧侶「九連環なら外せますよ」

魔法使い「あの……。知恵の輪を外した後は、また元に戻しますよね。いつか別れることになっても、私は勇者さまや僧侶さんと一緒にいたいです」

勇者「大丈夫だよ。魔法使いちゃんは、もう大切な仲間なんだから。俺たちの関係が変わったとしても、それだけは絶対に変わらないよ」

魔法使い「私たちの関係が変わったとしても?」

勇者「……ああ」

魔法使い「そっか」


私は短く返し、南の空を眺めた。
来たる別れの日に、気持ちが沈まないことを願って――。


316
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/25(金) 00:22:01 ID:NkEvtqMw
第6話 おわり

(知恵の輪)
・チャイニーズリング(九連環)
・チリ人の輪

(不可能知恵の輪)
・タオ


勇者「ドーナツの世界?!」第7話を読む
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。