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勇者「ドーナツの世界?!」 第4話

134 以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 21:39:29 ID:cF/CTLzM
第4話 魔法はいらない
~港町~
タングラムの魔力を解放した翌朝、魔物が消えたことを確認した私たちは富豪さんに報告をして街を出た。
そして一週間ほど砂漠を歩き、ようやく港町に到着した。


魔法使い「大河って、すごいですね。川の向こう岸が見えないです!!」カランカラン

僧侶「あっ、あそこ見てみて。泳げるところがあるみたい」

魔法使い「本当だあ。砂まみれだし、川で泳ぎたいです!」カラン

僧侶「勇者さま、みんなで泳ぎに行きませんか」

勇者「いいねえ。でも、二人は水着を持ってるの?」

僧侶「あっ……。出発したときは冬でしたし、水着を持っていないです」

魔法使い「私も持っていません」

勇者「まあ、そうだよな……」


135
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 21:48:35 ID:cF/CTLzM
勇者「じゃあ、今日は準備をして、泳ぎに行くのは明日にしようか」

僧侶「それが良いですね。後で水着を買いに行ってきます」

魔法使い「僧侶さん、一緒に選びましょう!」

僧侶「そうだね、一緒に行こっか。勇者さまも水着を準備しておいてくださいね♪」

勇者「了解っ。じゃあ、サクッと宿を決めようか」

僧侶「はい。ガイドブックによれば、あの宿は鯉料理が絶品だそうです」

魔法使い「草原に放牧しているヤギさんも名物ですよ」

勇者「ずっと干し肉ばかりだったからなあ。今夜は魚を食べて、明日は肉を食べに行こう!」

僧侶「新鮮なコイ、楽しみです♪」


136
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 22:47:34 ID:cF/CTLzM
~宿・女湯~
魔法使い「久しぶりのお風呂、気持ち良いな~」


砂漠にいたときは身体を洗うことが出来なかったし、街に行っても濡れタオルで拭くことしか出来なかった。
久しぶりの湯船は、本当に気持ちが良い。


僧侶「水が貴重な土地があれば、砂漠に囲まれながらも水が豊富な土地もある。何だか、考えさせられるよね」

魔法使い「そうですね。でも、なぜ砂漠の街の人は港町に引越ししないのでしょうか?」

僧侶「魔法使いちゃんも私たちと出会わなければ、エルグの村から出て旅をすることはなかったでしょ。それと同じじゃないかな」

魔法使い「そっか、そうかもしれないですね」


私が住んでいた村は物資が充実していない代わりに、川魚や白菜がとても美味しい。
そして砂漠の街は水が不便だったけど、タジン鍋がとても美味しかった。
周りの人には不便に見えても、そこに住んでいる人にしか分からない良さがあるのだ。
だから皆、生まれ育った場所で暮らしているのかもしれない。


137
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 22:56:56 ID:cF/CTLzM
僧侶「ところで、魔法使いちゃんは勇者さまのことをどう思ってるの?」

魔法使い「えっ……。そ、それは……//」


私はきゅんと胸が締め付けられた。
どう思っているのかと聞かれると、何だか答えるのが恥ずかしい。
すると照れていることに気付いたのか、僧侶さんがニヤニヤと笑みを浮かべた。


僧侶「ほら、魔法使いちゃん。山すその都にいた頃と比べて、勇者さまを見る目が変わったよね」

魔法使い「えっと、その……。山すその都にいた時は、一人でエッチなことばかりしているのを見て、嫌になっていました」

僧侶「そうだよね。あのとき、すごく悩んでいたもんね」

魔法使い「それで帰りたいって思っていたんだけど、僧侶さんのおかげで大切なことなんだと知ることが出来ました。最近は野営が続いてずっと一緒にいるけど、勇者さまは夜中にこっそりしているみたいで、それが何だか微笑ましく感じてしまうんです」

僧侶「へえ、そうなんだ。えっちなことに気持ちの余裕が出来た感じだね」

魔法使い「はい。それに砂漠ではたくさん気遣ってくれて、こうして無事に横断することが出来ました。私はそれをすごく感謝していて、今はまた勇者さまに憧れています//」

僧侶「そっか、憧れの人なんだ……」

魔法使い「私がそう思っていることは、まだ内緒ですからね//」


138
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:20:04 ID:cF/CTLzM
魔法使い「ちなみに、僧侶さんはどう思っているんですか?」

僧侶「わ、私っ?! 私が一緒に居るのは、仕事仲間だからだよ」

魔法使い「私にだけ言わせて、僧侶さんは誤魔化すんですか。そんなの、ずるいです」


私は僧侶さんに好奇の眼差しを向けた。
それに耐えかねて、僧侶さんは照れくさそうに口を開いた。


僧侶「何て言えば良いかな……。勇者さまって食べることが好きでしょ。そういうところが、一緒にいて気が合う人だなと思ってる」

魔法使い「一緒にいて気が合う人……か」

僧侶「うん。それに勇者さまは、魔法使いちゃんを連れて一ヶ月もの過酷な長旅を成功させたでしょ。もし子供が出来たら、勇者さまはこんな風に守ってくれるんだなと考えたら、いつの間にかそういう目で見るようになってしまって――」


その言葉を聞いて、僧侶さんは大人だなと思った。
まだ付き合っていないのに、結婚をして子供が出来たときのことも考えている。
それが大人の恋愛なのかもしれない。


僧侶「こういう話をすると、少しのぼせちゃうね。そろそろ上がって、水着を買いに行きましょうか」

魔法使い「はいっ。私、負けませんからね!」


139
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:25:18 ID:cF/CTLzM
~街中~
魔法使い「港町って、お店がたくさんありますね」

僧侶「貿易の拠点になっている街だからね。きっと珍しいものがたくさんあると思うわよ」


その一言で、珍しいものを探すお店巡りが始まった。
ドレスや織物は色使いに文化を感じられたり、大河をモチーフにした装身具や小物も売られている。
この街は水を連想させる雑貨が多いようだ。


魔法使い「僧侶さん、これを見てください。ビンの中に船が入ってますよ」

僧侶「ほんとだ。えっ、どうやって入れたんだろ?!」

魔法使い「転移魔法ですかねえ」


140
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:26:18 ID:cF/CTLzM
雑貨屋「お嬢ちゃん方。これはボトルシップと言って、小さい部品を一つ一つビンの中で組み立てて作るんだよ」

魔法使い「えっ、すごいです! 転移魔法かと思いました!!」

雑貨屋「人間は魔法に頼らなくても、工夫をすれば色んなことが出来るものさ。どうだい、ひとつ記念に買っていくかい?」

僧侶「私たちは旅の途中なので、壊れやすそうなものは買えなくて……」

雑貨屋「それは残念だね。また帰りに寄っておくれ」

僧侶「はい、もちろんです」

魔法使い「次はどこに行きますか?」

僧侶「変わった雑貨を探すのも良いけど、そろそろ水着も探しましょうか。ちょうど、水着屋さんがあるみたいだし」

魔法使い「そうですね。どんな水着があるのか楽しみです。可愛い水着がいっぱいあると良いですよね~♪」


141
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:39:17 ID:cF/CTLzM
~水着屋~
水着屋さんに入ってすぐ、私は顔を赤面させた。
さまざまな商品が展示されているけれど、どれも下着のようにしか見えないからだ。
この地域の人は、本当にこんなものを着て川遊びをしているのだろうか。

もしかすると、エッチなお店に入ってしまったのかもしれない。
そう思って店を出ようとすると、店員さんがやってきた。


婦人「いらっしゃいませ。ここは素敵な水着が揃ってますよ」

魔法使い「あ、あの……。私が知っている水着は、ワンピースタイプの繋がった水着なんですが……。これって、どう見ても下着ですよねえ」アセアセ

婦人「もしかして、旅のお方ですか?」

魔法使い「はい」

僧侶「私たちはエルグ地方から来ました」

婦人「そうでしたか。この地域は砂漠に囲まれていますよね。だから、身体に付いた砂を洗い流すために、生地がどんどん小さくなっていったのです。この街では、ビキニタイプが普通なんですよ」

僧侶「そ、そうなんですね……。どうする? やめる?」

魔法使い「わ、私は挑戦します! ぶ、文化の違いを受け入れます」

僧侶「えぇぇっ!」


142
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:49:53 ID:cF/CTLzM
婦人「お年頃のお嬢様には、こちらのかわいい水着がおすすめです。ビキニタイプやパレオの付いた水着など、オーソドックスなものが人気ですよ」

魔法使い「わわっ// 下着みたいだけど、どれもデザインが可愛いです」

僧侶「あ、あの、私は……」

婦人「そうですねぇ。適齢期の女性は、どなたもこちらの水着を着用します。お客様はバストが大きいので、それを主張させるためにV字水着やモノキニ、紐ビキニはいかがでしょうか。大変似合うと思いますよ!」

僧侶「これなんて、は、裸じゃないですかぁ。無理です、むりっ!」

婦人「では、こちらの溶ける水着はいかがでしょうか。生地が多いものもありますし」

僧侶「生地が多くても、溶けたら意味がないじゃないですかっ//」

婦人「とりあえず、お二人とも試着をなさってみてはいかがでしょう。見た目のイメージと違って、実際に着てみると印象が変わるかもしれませんよ」


確かにそうかもしれない。
試着させてもらえるなら、気になる水着を着てみよう。


魔法使い「じゃあ、私はこれを着てみたいです。僧侶さんも試着くらいなら良いじゃないですか。試しに着てみましょうよ」

僧侶「……そうだね。店員さん、そのデザインの水着を着てみます」

婦人「どうぞどうぞ。ご自由にご試着なさってください」


143
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/07(月) 23:54:18 ID:cF/CTLzM
~部屋~
魔法使い「勇者さま、ただいまです」

僧侶「ただいま~」

勇者「二人とも、お帰り。街はどうだった?」

魔法使い「お買い物、楽しかったです」

僧侶「ねえ、まさか試着させてくれるとは思わなかったよぉ~//」

魔法使い「僧侶さん、途中から変なスイッチが入ってましたよね」


僧侶さんは新しい水着を試着するたびに、大事なところを隠す面積が小さくなっていった。
それなのに店員さんとデザインの話ばかりしていて、もう完全に雰囲気に飲まれているようだった。


僧侶「だって、一番魅力的なものが欲しいじゃない//」

魔法使い「それはそうだけど……」

勇者「何だか、二人の水着姿が楽しみだな」


144
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 00:12:30 ID:gqBAfkEc
僧侶「ところで、勇者さま。これを見てください」

勇者「えっ、ちょっ、何だよこれ!!」

僧侶「ボトルシップというものです」

魔法使い「んなっ、いつの間に買ったの?!」

僧侶「えへへ、帰りにふら~っと」

魔法使い「うわー。旅の帰りじゃなくて、買い物の帰りに買っちゃったんだ」

僧侶「だって、欲しかったんだもん」

魔法使い「でも僧侶さん、壊れやすそうなものは買えないって言ってませんでしたか?」

僧侶「ふふんっ、防御魔法を常時展開しておけば、船が壊れないことに気付いたの!」ドヤッ

魔法使い「あぁ、なるほど……」


145
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 00:17:45 ID:gqBAfkEc
勇者「それにしても、この船。ビンの口よりも大きいのに、どうやって入れたんだろ」

僧侶「ビンの中で一つ一つ組み立てたそうですよ。他にもトランプが箱のまま入っているものがあったり、とても不思議でした」

勇者「へえ、面白いな」

僧侶「ですよね! ここの民芸品で、不可能物体や不可能ボトルと呼ばれるそうです」

勇者「不可能物体か……。この民芸品は、魔法がなくても工夫をすれば成し遂げられる。そんな事を教えてくれるのかな」

僧侶「はい。店の主人がそのようなことをおっしゃっていました。ビンの中に船を入れようだなんて、土地柄が現れていて素晴らしいですよね」

勇者「ちなみに、水着だけじゃなくてボトルシップも経費で落とすつもりだったりしないよな」

僧侶「水着は装備品です。ボトルシップは、私の趣味だから必要なものです!」

勇者「まぁ、いつものことか。ところで次の出立だけど、三日後に海を渡る客船が出るらしいんだ。それの予約を取ってきたから」

僧侶「三日後の船ですね、分かりました。それでは、鯉料理を食べに行きましょう♪」


146
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 00:26:38 ID:gqBAfkEc
~夕食~
部屋から大広間に移動すると、間もなく鯉料理が運ばれてきた。
鯉の洗いに鯉こく、鯉のから揚げとメインの塩焼き。
そして、最後に大皿の上に乗ったお刺身が運ばれてきた。


魔法使い「僧侶さんっ! この大皿のお刺身、鯉の口がパクパクしていますよ」

僧侶「それは活造りだって」

魔法使い「活造りですか……。生きたまま食べるなんて残酷だと思います」

僧侶「……だよね。私たちが殺めてから食べる料理でしょうか?」

勇者「いや、生きたまま食べるみたい」

魔法使い「食べようとしたら、暴れますよ! それに、私を見ているみたいです」ビクビク

僧侶「本当に生きたまま食べるのですか?!」

勇者「食べないなら、俺が全部食べてしまうから」

僧侶「ええっ、それはずるいです。鯉さん、命をいただきます」

魔法使い「い、いただきます……」


147
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 00:30:37 ID:gqBAfkEc
・・・
・・・・・・
魔法使い「一時はどうなるかと思ったけど、すごく美味しかったです」

僧侶「この地域の人は、毎日食べているのかなあ」

勇者「活造りは腕のいい職人しか作れない、最高のおもてなし料理みたいだよ。だから、特別な日にしか食べないんじゃないかな」

僧侶「えっ、ちょっと待って。それじゃあ、鯉専用の治癒魔法を施して調理しているわけではないんですか?!」

勇者「治癒魔法で半殺しにして食べるのは、それこそ残酷じゃないか」

僧侶「……ですよね。食文化にこれほどの違いがあるとは、とても驚きました」

勇者「少しでも新鮮なお刺身を食べたくて、活造りを考え出したんだろうな。人の食へのこだわりは、本当に留まるところを知らないな」

僧侶「そうですね。明日も楽しみです♪」

魔法使い「僧侶さん。ヤギ料理を堪能できるように、たくさん泳いでお腹を空かさないとですね!」

僧侶「あはは、そうだね。水着も買ったし、明日はたくさん泳ぎましょ」

魔法使い「はいっ」


148
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 21:16:30 ID:gqBAfkEc
~河原(砂浜)~
次の日、私たちは遊泳広場にやってきた。
大河は川幅がとても広く、そのスケールの大きさにただただ圧倒されてしまう。
遊泳範囲が決められているとはいえ、思う存分に楽しめそうだ。
私と僧侶さんは急いで更衣室に行き、水着に着替えて勇者さまと合流した。


魔法使い「勇者さまぁ~」トテトテ

勇者「えっ、魔法使いちゃん?! それって……」


私の水着姿を見て、勇者さまは驚いた。
まさか下着のような水着を着てくるとは思っていなかったのだろう。
その視線は胸元に集中し、少し困っているようだ。
寄せて上げた胸を見られるのは恥ずかしいけれど、何だか気持ちがいい。


魔法使い「これはビキニという水着なんです。どうですか?」クルッ

勇者「か、過激すぎじゃないかな……」

魔法使い「この街では、これが控えめだそうです//」

勇者「そ、そうなんだ。可愛いと思うよ」

魔法使い「ありがとうございます。勇者さまも水着姿が凛々しいです//」


149
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 21:25:42 ID:gqBAfkEc
僧侶「あ、あのぉ//」

勇者「僧侶さん、何それっ!」


僧侶さんが声をかけると、勇者さまの視線が釘付けになった。
はにかんだ笑顔とは対照的な、扇情的でいやらしい水着姿。
ほとんどが紐のV字水着で、ボトムの紐はウエストを抜けてトップスに繋がっている。
もはや裸同然で、バストトップとIラインしか隠せていない。


僧侶「お店の方が、あぶない水着ばかり勧めてくださって……。その中でもこの極細スリングが特に巧妙で、胸元でクロスさせる着方も出来るんです。それがまた、すっごくセクシーなんですよ//」ポヨンッ

勇者「セクシーって言うより、エロすぎだろ!」

僧侶「だって、そういう水着ですから//」

勇者「分かったから、ちょっと一人にさせてくれないかな……」

僧侶「もしかして、興奮しちゃってますか?」

魔法使い「えっ、そうなんですか?!」

勇者「そ……そんな訳ないだろ」アセアセ

僧侶「魔法使いちゃん、川に逃げましょ!」

魔法使い「あはは、勇者さまのえっち~」


150
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 21:57:10 ID:gqBAfkEc
僧侶「魔法使いちゃん、いっくよ~!」ジャブジャブ

魔法使い「わわっ、冷たいっ」

勇者「いやあ、いいなあ// 本当にみんなエロ水着を着てるのか。あの娘はブラを着けてないし、ここはパラダイスだな!」

僧侶「勇者さま、どこを見てるんですか。全部、聞こえてますよ!」プンスカ

勇者「うわっぷ、水を掛けるなって」

僧侶「えいえいっ」ジャブジャブ

勇者「おおっ! それ、もう少しで見えそう//」

魔法使い「むかっ! 水精霊召喚、いっけ~!!」

勇者「いや、それはちょっと待て!」


ゴオォォォ・・・
ザバァァンッッ!!


勇者「うごぉぉっ……」げほっげほっ

僧侶・魔法使い「……」


151
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 22:06:44 ID:gqBAfkEc
勇者「おいっ、お前ら。覚悟は出来てるんだろうなあ」

魔法使い「僧侶さん、逃げましょう!」ダッシュ

僧侶「勇者さまぁ、捕まえてごら~ん♪」

魔法使い「捕まえてごら~ん」

勇者「くそっ、待ちやがれっ!!」


僧侶「うふふ……」ユサユサ

魔法使い「あははは」キャッキャッ


勇者「ほらっ、僧侶さん捕まえた。次は魔法使いちゃん」ぎゅっ

僧侶「いやぁん……捕まりました」

魔法使い「はあっ、楽しかった~」

勇者「あっ……//」


152
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 22:20:02 ID:gqBAfkEc
魔法使い「あわわ// 僧侶さん、見えちゃってますよ!」

僧侶「きゃああぁぁぁっっ」アセアセ

魔法使い「勇者さま、見ては駄目です!!」


私は慌てて勇者さまの背後に回り、両手で目隠しをした。
その間に僧侶さんが水着を直す。


僧侶「ねえ、見ました?」

勇者「いやっ、何も見てないから」

僧侶「お身体に変化があるようですが……。勇者さま、見ましたか?」

勇者「見ました」

僧侶「ま、まあ、今回は許してあげます。あまり、他の女の子ばかり見ないでくださいね」プイッ

勇者「僧侶さん、ごめん。ところで魔法使いちゃん、背中に胸が当たってるんだけど……」

魔法使い「す、すみません//」


153
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 23:06:59 ID:gqBAfkEc
魔法使い「僧侶さん、あまり激しい動きは止めたほうがいいですね。また脱げちゃいそうです」

僧侶「ふふっ、魔法使いちゃんは子供だね//」

魔法使い「えっ?」

僧侶「この水着は殿方を興奮させるための水着なのよ。これで隠せるとは考えていないし、簡単に脱げてしまうのは当たり前だから」

魔法使い「……!!」

僧侶「でも水着がずれないようにしておかないと、思いっきり遊べないわね。やっぱり、勇者さまに見られたら恥ずかしいし……」

魔法使い「そうですよ。僧侶さんはここの雰囲気に飲まれすぎです!」

僧侶「それは魔法使いちゃんも同じでしょ。私も文化の違いを受け入れて、思いっきり楽しむことにしたの」

魔法使い「そう言われると私たち、すでに溶け込んでいますよね」

僧侶「そういうことだから、少し更衣室に行ってくるわね」


154
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 23:12:35 ID:gqBAfkEc
僧侶さんが更衣室に行き、私は勇者さまと二人きりになった。
そう、憧れの勇者さまと二人きり。
告白する勇気はないけれど、この機会に今までのお礼だけはしておきたい。
私はそう思い、勇者さまに話しかけた。


魔法使い「……あの、勇者さま//」

勇者「ん?」

魔法使い「この一ヶ月、特に砂漠ではありがとうございました。無事にここまで来ることが出来て、とても感謝しています」

勇者「魔法使いちゃんこそ、よく頑張ったと思うよ。それに俺は魔法使いちゃんと一緒に旅をしていて、笑顔でいてくれることがすごくうれしいんだ。いつもありがとう」

魔法使い「私も勇者さまと旅をするのが大好きです//」


私はそう言って、勇者さまに肩を寄せた。
そして少しはにかんだ表情で、腕を絡ませる。


勇者「ほら、恥ずかしいから、そんなにくっつかない//」

魔法使い「でも、砂漠ではもっと隣に来るように言ってましたよ」

勇者「いやいや、ここは砂漠じゃなくて砂浜だから!」


155
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/08(火) 23:19:58 ID:gqBAfkEc
魔法使い「実は私、山すその都にいたとき、すごく悩んでいました」

勇者「そのことは俺も気になっていたんだ。詳しいことは知らないけど、僧侶さんが相談に乗ってくれたんだろ」

魔法使い「はい、おかげで悩みは解決しました。僧侶さんのこと、優しいからすごく好きです」

勇者「まあ女僧侶だし、人を癒すことが仕事だからな。それで、どんなことに悩んでいたの?」

魔法使い「それは女の子の秘密ですよ// あっ、噂をすれば僧侶さんが戻ってきましたね」

勇者「そうみたいだな。しかも遠くから見たら、何も着てないように見えるし……」

魔法使い「勇者さまって、本当にエッチなことが好きですよね~」

勇者「ははっ……」

魔法使い「でも勇者さまのそういうところ、嫌いじゃないです。私の胸は気持ち良いですか//」

勇者「そ、それはまあ女の子だし――」

魔法使い「ふふっ// 僧侶さ~ん、こっちこっち!」

僧侶「ただいま。もしかして、戻ってくるのが早かったとか?」

魔法使い「ううん、そんなことないです。感謝の気持ちを伝えていただけですから//」

僧侶「そうなんだ。じゃあ、そろそろお腹が空いてきたし、焼きそばを食べましょうか! 聞いた話では、定番の食べ物なんだって」

魔法使い「焼きそば、楽しみです♪」


156
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 00:01:48 ID:3SLPXBo.
お昼時ということもあり、『川の家』というお店はとても賑わっていた。
遊泳広場内にあるので、男女ともに水着姿の人が多い。
男性の視線が気になりつつ注文した焼きそばを待っていると、ものの数分で焼きそばが運ばれてきた。
ソースの香りが食欲をそそる。


魔法使い「これが焼きそばなんですね。あっ、キャベツが入ってますよ」

僧侶「魔法使いちゃん、苦手だったっけ?」

魔法使い「いえ……。今夜はヤギ料理だし、ふと川渡り問題を思い出しました」

勇者「川渡り問題?」

魔法使い「はい。狼とヤギ、キャベツを川の向こう岸に運ぶ問題です」

僧侶「ロケーションにぴったりだね。続き続き♪」


157
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 00:13:37 ID:3SLPXBo.
魔法使い「それじゃあ、問題を出しますね。僧侶さんはすぐ分かると思うので、勇者さまが考えてみてください」

勇者「分かった」

魔法使い「農夫がキャベツとヤギ、狼を運んでいます。その途中で、川に着きました。その川を渡るには、舟を漕ぐしかありません。しかしとても小さい舟なので、一種類ずつしか向こう岸に運ぶことが出来ません」

魔法使い「さて、農夫がいなければ狼はヤギを襲ってしまい、ヤギはキャベツを食べてしまいます。どうすれば、すべて向こう岸に運ぶことが出来るでしょうか?」

勇者「狼は檻に入れておくべきだし、キャベツも箱に入れておけば食べられないだろ」

魔法使い「それを言ったら、お仕舞いじゃないですか。魔物の事件にはパズルが関わっていたし、細かいことを気にせず考えてみてください」

勇者「そうだな。とりあえず、最初はヤギを連れて行くだろ。そして戻ってきて、キャベツを運ぶ。だけど、そのまま戻るとキャベツを食べられてしまうから、ヤギを連れて戻る。次は狼を連れて行って、最後にヤギを連れて行けば正解かな」

魔法使い「ピンポーン♪ それを期待してました。最短手順は7手です」

勇者「それくらいなら簡単だな」ドヤッ


158
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 00:20:09 ID:3SLPXBo.
僧侶「じゃあ、次は私から出題するね。浜辺にちなんで、カァカァと賑やかなからす算もいいけど、リンド・パピルスのパズルなんてどうかな」

魔法使い「おおっ、由緒正しいパズルじゃないですか!」

勇者「どんなパズルなんですか?」

僧侶「最古の数学パズルと呼ばれていて、算術の面白さを教えてくれるパズルです」

勇者「へぇ、算術の面白さか」

僧侶「それでは問題です。長いので、よく聞いてくださいね」

僧侶「この街には水着屋さんが7店舗あって、それぞれ7種類のあぶない水着を取り扱っています。各種類のあぶない水着は、それぞれ7人の美女に販売されました」

僧侶「その美女たちは家に衣装ケースを7箱ずつ持っていて、その衣装ケースにはそれぞれ7枚ずつエッチなランジェリーが入っています」

僧侶「さて、これらの数を合計するといくつになるでしょうか?」


159
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 00:23:42 ID:3SLPXBo.
魔法使い「ええ~っ、どうしてそんなアレンジをするんですか?!」

僧侶「勇者さまのいやらしい妄想が捗るかなって思って//」

魔法使い「確かにそういうことが好きかもしれないけど……」

僧侶「それで勇者さま、答えは分かりましたか?」

勇者「単純に35じゃないんだよな」

僧侶「それだと数ではなくて、数字を足したことになります」

勇者「あぁ、そっか。7店舗のお店が、それぞれ7種類のあぶない水着を取り扱っているから、水着は49種類あるのか。その水着がそれぞれ7人の美女に販売されたから――」

僧侶「あっ、考え方が分かったみたいですね」

勇者「まあな。でも、この問題は紙とペンがないと計算できないじゃないか」


160
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 00:25:17 ID:3SLPXBo.
僧侶「もし答えられたら、もう少しサービスしちゃいますよ//」

勇者「今日の僧侶さん、何だか乗り乗りだな!」


勇者さまはそう言うと、いやらしい視線を僧侶さんの豊満な胸に向けた。
バストトップしか隠しきれていない水着は、近くで見るとつんと立っていることが分かる。
それに気付いてにやけている勇者さまを見ていると、何だか気分がもやもやしてきた。


魔法使い「7店舗のお店がそれぞれ7種類の水着を取り扱っているから、水着は49種類あることになります。その水着はそれぞれ7人の女性に販売されたから、購入した女性は343人です」

魔法使い「そして衣装ケースは2401箱で、ランジェリーは16807枚あることになります。それらを足し算すると、合計19607です」

勇者「これは答えられないな。魔法使いちゃん、暗算が得意なんだ」

魔法使い「はい、7桁くらいまでなら楽勝です」

僧侶「じゃあ、サービスは魔法使いちゃんにしてあげないといけないわね」

魔法使い「な、何か分からないけど結構です。焼きそばを食べましょうよ」

僧侶「あはは、そうだね」


161
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 20:12:48 ID:3SLPXBo.
・・・
・・・・・・
焼きそばを食べ終えて雑談していると、外から悲鳴のような声が聞こえてきた。
大河で何かがあったらしく、人々の声がガヤガヤと騒がしい。
一体何があったのかと思って外に出ると、男性が勇者さまに話しかけてきた。


男「しびれくらげだ! 人が溺れているらしいから、今は近付かないほうがいい」

勇者「しびれくらげ?」

男「ああ、あんたたちは観光客か。そいつに刺されると、身体が麻痺して溺れてしまうんだ。普通は遊泳範囲に来ることはないんだが、魚を追って侵入してきたのかもしれん」

僧侶「それは大変ですね。勇者さま、私に出来ることがあるかもしれませんし、救助を手伝ってきます!」

勇者「そうだな、頼む」

魔法使い「あっ、待ってください! 私も行きます!」


162
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 21:39:07 ID:3SLPXBo.
僧侶「魔法使いちゃん、あそこみたいだね」

魔法使い「そうですね。私、あの女性を助けてきます!」

僧侶「助けるって、どうやって? 勝手なことをすると逆に――」

魔法使い「水精霊、風精霊召喚! 力を貸してください!!」


私は水の表面張力を操作し、風の力を利用して水面を駆け出した。
しかし川の流れが思っていたよりも速く、なかなか距離が縮まらない。


魔法使い「今、助けます! もう少し頑張ってください!!」


私は全力で走りながら、大きな声を出して呼びかけた。
すると、溺れている女性が必死の形相でこちらを向いてくれた。
ジタバタともがきながら手を伸ばし、浮き沈みを繰り返す。
ところが、たどり着く直前に女性は動かなくなり、そのまま水中に消えていった。


163
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 21:55:06 ID:3SLPXBo.
魔法使い「そんな……」


周辺には、しびれくらげの脚が伸びている。
水上に攻撃してくることはないみたいだけど、迂闊に水中に手を入れることは出来ない。

何とかして、しびれくらげを倒さないと!
私はそう思い、爆発魔法を行使しようとした。
しかし、慌てて詠唱を中断した。

こんなところで爆発を起こせば、女性を巻き込む恐れがあるだけではなく、巨大な波が砂浜を襲うことになる。
しびれくらげを倒すことが出来ても、さらなる惨事を招くだけだ。

だからといって、別の攻撃手段を考えてみても妙案は思い浮かばない。
水精霊の力を借りて攻撃すると、水流が変化して女性が遠くまで流されてしまう。
風の魔法は水面で砕けてしまうし、火精霊では女性も茹で上がってしまう。


魔法使い「どうしよう、しびれくらげを倒すことができない――」


164
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 22:03:47 ID:3SLPXBo.
どうするべきか分からないでいると、ライフセイバーが泳いでくるのが見えた。
それを見て、考え方が違うことに気が付いた。
今優先するべきことは、しびれくらげを倒すことではなくて女性を助けることだ。


魔法使い「水精霊、風精霊召喚!」


風精霊で水に溶け込んでいる空気を操り、水泡を発生させる。
そのあぶくに乗って、女性が浮かび上がってきた。
そして女性が沈まないように、水精霊で浮かび上がらせた。
これで普通に呼吸をすることが出来るはずだ。

しかしぐったりとしたまま、ぴくりとも動かない。
やがてライフセイバーが到着し、女性を抱えると砂浜から浮き輪が投げ込まれた。


165
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 22:25:42 ID:3SLPXBo.
セイバー「ぜぇぜぇ……。意識がないようだ、頼む」


救助された女性は意識がなく、砂浜に仰向けに寝かされた。
人々が集まり、不安そうに見つめている。


セイバー2「呼吸なし、脈なし。心肺停止を確認」

魔法使い「えっ、そんな!」

僧侶「私、蘇生魔法を使えますよ」


僧侶さんが名乗りを上げると同時、ライフセイバーは公衆の面前で女性にキスをした。
さらに女性の胸を触り、何度も押さえつけている。
そんなライフセイバーの行動を見て、私は困惑した。


魔法使い「キスをして何を……。えっ、ええっ?!」

女性「げほっ、げほっ……」

セイバー2「蘇生確認。急いで医務室に運んで、毒消しの準備を!」

セイバー「了解!」


166
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/09(水) 22:57:06 ID:3SLPXBo.
僧侶「あのっ、私はエルグの国に仕える女僧侶です。解毒魔法を使えます」

セイバー2「本当ですか! ぜひお願いします!」

僧侶「分かりました。まだ、肺に水が溜まってますね。蒸発魔法! 解毒回復魔法!」

女性「うっ、うぅん。あれ、ここは……」

僧侶「ここは砂浜です。溺れていたところを私たちに救助されました。どこか痛い所はありますか?」

女性「いえ、特には……」

僧侶「それは良かったです。それでは、私はこれで失礼させていただきます」

セイバー「お二人とも、ご協力感謝します。ありがとうございました!」

女性「ありがとうございました」ペコリ

僧侶「魔法使いちゃん、戻りましょうか」

魔法使い「……はい」

警備員「警備の船より、水域の安全が確認されました。なお――」


167
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 22:04:00 ID:ls3.YtYA
~部屋~
魔法使い「今日は遊び疲れました~」クテー

僧侶「勇者さま、私たちの水着姿はそそりましたか?」

勇者「それはもう、最高だったよ。僧侶さんはエロい水着だし、魔法使いちゃんは可愛いし、今までで今日が一番幸せだな」

僧侶「ふふっ、楽しんでいただけたみたいで嬉しいです//」

勇者「良かったら、明日も行かないか?」

僧侶「明日は旅支度の買い物ですよ」

勇者「だよね……」

魔法使い「もう泳がないなら、僧侶さんの水着を着てみたいです!」

僧侶「ええっ、魔法使いちゃんにはまだ早いって……」

魔法使い「でも一度、大人用のあぶない水着も着てみたいです。お願いします//」

僧侶「仕方ないわねえ」

魔法使い「えへへ// では、挑戦してみます!」


168
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 22:12:34 ID:ls3.YtYA
勇者「背伸びをしたい年頃かな。ところで僧侶さん、今夜は一緒にバーに行きませんか」

僧侶「夜に魔法使いちゃんを一人きりには出来ませんよ。それに、避妊具は砂漠の暑さで駄目になっています。ちゃんと捨ててくださいね」

勇者「……はい」ガックリ

僧侶「でも、次にここに来るときはシーズンオフですよね。それならば、もう一度みんなで泳ぎに行くのも悪くないかもです」

勇者「そうだね、そうしよう」

僧侶「では明後日は船が出るまで時間があるし、そのときにまた私の水着姿を楽しんで下さい。それで良いですか?」

勇者「身体の方も許してくれると嬉しいんだけど……」

僧侶「それは妄想で我慢してくださいね//」


169
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 22:21:44 ID:ls3.YtYA
魔法使い「もう! 二人とも、大人の会話が更衣室の中まで聞こえてましたよ」

勇者「あ……」

魔法使い「どうですか、勇者さま。私にこの水着は似合いますか?」


私は更衣室から出ると、上目遣いで勇者さまを見詰めた。
バストトップとIラインしか隠せない水着。
それが程よい胸の膨らみを曝け出し、ビキニでは見えなかった部分を扇情的に魅せつける。


僧侶「わぁぁっ! 魔法使いちゃん、更衣室に戻る戻る!!」アセアセ

勇者「う~ん。まだ少女の面影が残っているから、魔法使いちゃんには少し早いかも。ビキニのほうが可愛らしくて、すごく似合ってたよ」

魔法使い「そうなんですか……。早く大人になって、次こそ勇者さまを魅了させてみせます!」

勇者「ははっ、楽しみにしてるよ」


170
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 22:30:55 ID:ls3.YtYA
僧侶「それじゃあ、魔法使いちゃん。早く服を着て、一緒にお風呂に行きましょ」

魔法使い「そうですね、着替えてきます」トテトテ

僧侶「勇者さま。魔法使いちゃんのこと、興奮せずに諭してくれてありがとうございます。また少し信じられるようになりました」

勇者「また少しって、今はどれだけ低いんだよ」

僧侶「あの、これはお昼に話していたサービスです」

勇者「……僧侶さん//」

僧侶「砂漠を渡っていたとき、魔法使いちゃんを守る姿がとても素敵でした。それに、私のことも助けてくれましたよね。とてもうれしかったです。これからも私たちのこと、よろしくお願いします」

勇者「ああ、分かった」


171
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 22:41:41 ID:ls3.YtYA
~宿・女湯~
魔法使い「はぁ、いいお湯ですね。明後日も遊びに行けるのですか?」

僧侶「船が出るまでの間だけね」

魔法使い「楽しみです♪」

僧侶「何だか、積極的に誘惑してたよね」

魔法使い「だって、ずっと僧侶さんの胸ばっかり見てるんだもん。私も負けません!」

僧侶「ふふっ、ちょっと刺激が強すぎたかな」

魔法使い「きっと今頃は私たちの妄想でなさってますよ//」

僧侶「妄想だけなら自由だし、それは私たちで勇者さまを癒すことが出来たってことだよね」

魔法使い「はい、そうですね//」


172
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 23:00:08 ID:ls3.YtYA
魔法使い「ところで、僧侶さん。魔法は本当に必要なのでしょうか……」


軽い猥談で盛り上がった後、私は気落ちした面持ちで言った。
昼過ぎにあった事故のことが、ずっと心に引っかかっているからだ。
それを考えると、何も出来なかった自分がちっぽけな存在に思えてしまう。
だから、そんな気持ちを聞いて欲しかった。


僧侶「それって、どういうこと?」

魔法使い「昼過ぎに川で女性が溺れたとき、私はしびれくらげを追い払えずに、女性を浮かせることしか出来ませんでした。そのせいで、女性は亡くなってしまいました」

魔法使い「でもその後で、ライフセイバーの方が蘇生魔法を使わずに女性を生き返らせたんです。とても衝撃的でした」

僧侶「そのような蘇生術があることは、砂漠にいたときに話したでしょ」

魔法使い「はい……。でも、魔法を使える私は何も出来ませんでした」

僧侶「それを言うと、私も同じだよね。私がいなくても、あの女性は助かったはずだから」


173
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 23:06:00 ID:ls3.YtYA
魔法使い「じゃあ、やっぱり魔法は――」

僧侶「ねえ、魔法使いちゃん。ボトルシップを買ったお店の主人が、何と言っていたか覚えてる?」

魔法使い「たしか、『人間は魔法に頼らなくても、工夫をすれば色んなことが出来る』と言ってました」

僧侶「そうだね。ではなぜ、ライフセイバーさんは心肺蘇生術を学んでいると思う?」

魔法使い「魔法を使えないから……ですか」

僧侶「それでは、半分不正解かな」

魔法使い「他に理由があるんですか?」

僧侶「魔法を使えないけど、誰かを救いたいからです。だから彼らは教会で学び、努力をしているのよ」

魔法使い「誰かを救いたいから、か」


174
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 23:21:33 ID:ls3.YtYA
僧侶「じゃあ、魔法使いちゃんはどうして精霊魔術の勉強を始めたの?」

魔法使い「それは……村を困らせる魔物から、みんなを守りたかったからです。だから、熊退治の話を聞いたとき名乗り出たんです」

僧侶「でも、そんな理由なら剣術やナイフ術でも良かったはずだよね」

魔法使い「私は体術が全般的に苦手ですから」

僧侶「それが答えなのよ。魔法は誰かを守るための手段のひとつでしかないの」

魔法使い「魔法は手段のひとつ……」

僧侶「ねっ、魔法使いちゃんには魔法が必要でしょ。精霊魔術を使える魔法使いちゃんがいたから、溺れた女性は流されなかった。だからすぐに救助することが出来て、ライフセイバーさんの蘇生術で一命を取り留めることが出来た」

僧侶「お互いに出来ることをして女性が助かったんだから、それで良いじゃありませんか」

魔法使い「そう……ですよね。ありがとうございます」

僧侶「私は魔法使いちゃんがとても良い判断をしていて、すごくうれしかったよ」


175
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 23:29:15 ID:ls3.YtYA
魔法使い「あの……、もし僧侶さんが魔法を使えなかったら、何をしていましたか?」

僧侶「う~ん、薬師になっていたかも」

魔法使い「薬師か……。僧侶さんらしいですね。私、回復魔法も勉強してみたいです」


私には魔法が必要だ。
だから精霊魔術だけではなくて、人を癒やす魔法も覚えたい。
私はそう心に決めた。


僧侶「ふふっ、頑張ってね。そろそろ部屋に戻りましょうか」

魔法使い「はい。僧侶さん、いつもありがとう」


176
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/10/10(木) 23:31:38 ID:ls3.YtYA
第4話 おわり

(不可能物体)
・ボトルシップ

(数学パズル)
・からす算
・リンド・パピルスのパズル

・川渡り問題


勇者「ドーナツの世界?!」第5話を読む
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