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勇者「ドーナツの世界?!」 第9話

447 以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 21:57:06 ID:gIHIUKQ6
第9話 心をさらけ出して
~極南の地・結界~
魔女さんと別れて一週間ほど歩き、ついに結界の境界面にやってきた。
目の前には闇が広がり、地面も空も何もない。
まるで、ぽっかりと世界が抜け落ちているかのようだ。


魔法使い「この中に本当に入れるのでしょうか。足を踏み入れた瞬間、奈落の底まで真っ逆さまなんてことはないですよねえ」

勇者「魔女さんが中に入っているんだし、それはないと思うけど」

魔法使い「あはは、そうですよね」

僧侶「魔法使いちゃん、緊張してきたの?」

魔法使い「そ……そんなことないです。行きましょう、勇者さま!」

勇者「そうだな。二人とも、絶対に無理はしないように。情報を持ち帰ることを優先しよう」

僧侶「はいっ」

魔法使い「分かりました!」


448
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 21:59:06 ID:gIHIUKQ6
私たちは覚悟を決めて、結界に足を踏み入れた。
その瞬間、ふわりとした高揚感に包まれて世界が闇に包まれた。
前が何も見えず、歩くこともままならない。


魔法使い「結界の中は本当に夜みたいですね。照明魔法!」


私は照明魔法を詠唱し、魔法の光を生みだした。
それは掌の上でまばゆい輝きを放ち、周囲を明るく照らし出す。
しかし、その輝きは瞬く間に見えなくなってしまった。


魔法使い「……あれ?」

僧侶「魔法使いちゃん、この中では魔法が使えないの?」

魔法使い「いえ、頑張っても明るくならないんです」

僧侶「もしかすると、結界内部が闇になっているのは結界が光を吸収しているからなのかもしれないわね」

魔法使い「なるほど……。もしそれが本当なら、何のために光を吸収しているのでしょうか」


449
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 22:10:42 ID:gIHIUKQ6
勇者「案外、極北の地に光を集めるためだったりしてな」

魔法使い「極北の地に光をですか?」

勇者「南が白夜なら、北は極夜だろ。だからここが闇に覆われているならば、向こうは光に包まれているんじゃないかと思うんだ。みんな闇を恐れて、未だに南側の調査しかされていない。北側のことはまだ何も分かっていないから、俺はあり得ない話ではないと思う」

魔法使い「だけど、そうなると太陽光を集めていることになりますよね。莫大なエネルギー量が、極北の地に蓄えられていることになるんじゃないですか?」

勇者「そういうことか!」

魔法使い「えっ?!」

勇者「世界の侵入者は、太陽の光を集めて世界に大きな穴を開けるつもりなんだ。ほら、ドーナツ世界と世界の終末が両方同時に達成できるじゃないか」

魔法使い「そ、そうですね!」

僧侶「それなら、ハノイの塔の手数は調べておかないといけないわね。この結界が魔法陣として機能しているなら、絶対に関連があると思うから」

勇者「そうだな。そのためにも、極南の村の調査は心してかかろう」


450
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 22:23:09 ID:gIHIUKQ6
~極南の村~
結界内部に入り、しばらくすると闇に目が慣れてきた。
どうやら、視認するために必要な光は残されているようだ。
それから数時間ほど歩き、極南の村に到着した。


魔法使い「人の気配はないですね。闇に包まれるまでは、ここも賑わっていたのでしょうか」

僧侶「本当、そうだよね。賑わっていたら、カンガルーやエミューの料理が美味しい場所だったんだろうな……。香草をたっぷり使って、焼いて食べるんです」

魔法使い「あぁ、美味しそう」

僧侶「お肉料理、食べたかったなあ」

勇者「僧侶さん。エルグの城に帰ったら、みんなでバーベキューをしようか」

僧侶「良いですね~。お肉をたくさん買って楽しみましょう! 魔法使いちゃんはエルグの村名産の野菜を頼んだわよ」

魔法使い「は、はいっ! 楽しみにしています♪」


451
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 22:28:10 ID:gIHIUKQ6
魔法使い「あれっ、勇者さま!」

勇者「どうしたの?」

魔法使い「あそこの建物だけ、明かりが点いていますよ!」

勇者「光を吸収してしまう場所なのに、明かりが点いているのは怪しいな……」

魔法使い「ですよねえ。もしかしたら、魔法陣を構成している術式や魔道具があるのかもしれません」

僧侶「勇者さま、どうしますか?」

勇者「調べない訳にはいかないだろうな。どう考えてもワナだから、油断だけはしないようにしよう」

僧侶「そうですね」

魔法使い「分かりました」


452
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 22:40:50 ID:gIHIUKQ6
勇者「ところで、二人とも精神感応の影響を受けてないよな」

魔法使い「言われてみれば、そんな気がしないです」

僧侶「魔女さんは、『中に入ると影響が強くなる』と言っていました。それは村の中ではなくて、あの建物の中なのかもしれませんね」

勇者「そうなると、俺一人で行ったほうが良さそうだな」

魔法使い「……ですよね」

僧侶「あの、勇者さま。光が届かない深海の話ですけど、光で獲物をおびき寄せて捕食する魚類がいるそうです」

勇者「へえ、そんな魚がいるのか」

僧侶「はい。あの光を見てしまった瞬間から、私たちはもう影響を受けているかもしれません。私たちだけにするのは、危険かもしれないですよ」

勇者「そうだなあ……。俺がいないと、何かがあったときに止められないな」

魔法使い「じゃあ、私たち三人で行くんですか?」

勇者「ああ。精神感応は俺たちの関係次第でもあるんだ。お互いを信じ合おう」

魔法使い「そうですね」


私は建物を見上げ、部屋から漏れている光を見た。
すると、それが妖しく揺らめいているように感じた。


454
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 22:51:02 ID:gIHIUKQ6
~旅館~
魔法使い「どうやら、この旅館の一室から光が漏れているみたいです」

勇者「そこに来いって意味なんだろうな」

魔法使い「とりあえず、中に入ってみましょう」

ガラララッ

勇者「受付には誰もいないみたいだな」

魔法使い「そうですね」

僧侶「勇者さま、あそこに階段がありますよ」

勇者「じゃあ、行ってみよう」


455
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 23:18:24 ID:gIHIUKQ6
勇者「どうやら、この部屋みたいだな。二人とも準備は良いか?」

僧侶「はい……」

魔法使い「大丈夫です」

勇者「じゃあ、開けるぞっ!」

バタンッ!!

勇者さまは勢いよく部屋の扉を開けた。
そして、中を覗き見る。


勇者「誰もいない」

僧侶「……ですね。旅館なのに寝具もないです」

魔法使い「でも、不思議な魔力を感じますよ。この感覚は神の遺産だと思います」


456
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 23:20:24 ID:gIHIUKQ6
勇者「神の遺産?」

魔法使い「はい。この部屋のどこかに隠されていると思います」

僧侶「言われてみれば、確かに魔力を感じるわね」

勇者「もしかすると、それが精神感応の媒体になっているのかもしれない。探し出して魔力を解放しよう」

魔法使い「分かりました」


私は部屋に入り、意識を集中させた。
魔力の発生源を感じ取り、部屋の隅にあった戸棚を開ける。
すると、その中には迷路が書かれた紙とソリティアが入っていた。
そしてそれを見た瞬間、結界の中から生きて帰ることが出来ない理由が分かってしまった。


457
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 23:21:14 ID:gIHIUKQ6
魔法使い「勇者さま、ありましたよ」

勇者「魔法使いちゃん、ありがとう」

僧侶「これは……迷路とペグ・ソリティアですね」


僧侶さんは不審そうに言うと、慎重に神の遺産を取り出た。
その様子から察するに、僧侶さんもこれらが危険なものだと分かったのだろう。
だからこそ、少しでも早く神の遺産の魔力を開放しなければならない。
私は眺めるだけで解くことが出来る迷路を受け取り、一足先に解き進めることにした。


勇者「僧侶さん、迷路が神の遺産だと言われてもピンと来ないんだけど」

僧侶「あ、ああ……そうかもしれないですね。実は迷路は世界でもっとも古いパズルなんです。だから、神の遺産として扱われているんですよ」

勇者「へえ、そうなんだ。それで、どれくらい昔からあったの?」

僧侶「例えば、入り組んだ洞窟は自然が作り出した迷路だと言えますよね。それらは人類が誕生する以前から、この世界に存在していました。つまり、迷路はこの世界と同時に誕生したパズルなんです」

勇者「……なるほど。それで、迷路の意味は?」

僧侶「迷路は死を象徴していて、抜け出すことで復活を表しています」

勇者「死と復活か。入り組んだダンジョンなら、そうかもしれないな」


458
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 23:31:59 ID:gIHIUKQ6
勇者「じゃあ、ソリティアというパズルは?」

僧侶「ソリティアは一人で遊ぶパズルの総称です」

勇者「でも、ソリティアってトランプじゃなかったっけ?」

僧侶「最近は、トランプ遊戯のクロンダイクをソリティアとして認識している人が多いみたいです」

勇者「へえ、そうなんだ」

僧侶「これはペグ・ソリティアという由緒あるソリティアで、配置された駒を飛び越しながら取り除いていき、最後に一つだけ駒を残すことが出来れば成功となる盤上パズルです」

勇者「一つだけ残すと成功か……。つまりこの部屋から出ることが出来るのは、最後に残った一人だけだと言いたいのか」

僧侶「これらのパズルを解くと、そういう意味になりますよね……」

勇者「じゃあ、解かなければ良いということか」

僧侶「でも魔力が込められているので、そういう訳にはいかないと思います」


459
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/09(土) 23:47:21 ID:gIHIUKQ6
勇者「それにしても、ここに神の遺産があるということは、この闇を作り出しているのは女神なのかもしれないな」

僧侶「女神が……ですか?」

勇者「ずっと気になっていたんだけど、極南の地にあるハノイの塔も神の遺産なんだろ」

僧侶「はい」

勇者「しかも、結界の中に入れるのは女神の加護がある者とそれに選ばれた者だけだ。女神が首謀者だと考えるのが、理にかなっていると思わないか?」

僧侶「だとしたら、世界を破壊しようとしているのは女神だという事に――」


魔法使い「Envy」


僧侶「えっ?」

魔法使い「この迷路の答えです」

僧侶「これを解くと文字が出るの?」

魔法使い「私はやっぱり諦められません! どうしても、勇者さまが好きなんです!」

勇者「その話はもう終わったはず。まさか、これが精神感応なのか?!」


462
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 22:12:51 ID:dyvHSL9.
魔法使い「風精霊召喚!」

僧侶「うぐぅ……」ドスッ

勇者「なっ?!」


私は突風を引き起こして、僧侶さんを壁に叩き付けた。
さらに勇者さまを吹き飛ばして仰向けにし、土精霊で床の一部を『∩字』に変形させて手足を拘束する。
それと同時に四本の杭を作り、僧侶さんの両手首と両足首に猛烈な速さで打ち込んだ。


僧侶「いやああぁぁっ!!」


壁に張り付けられ、僧侶さんが絶叫した。
私はその声に愉悦を感じ、土精霊で杭を動かして僧侶さんの両腕を広げていく。


魔法使い「きゃははは♪ まるで罪人のような姿ですね」

僧侶「うぐぅっ…………」

魔法使い「ふふっ、杭が刺さったままだと治癒をすることは出来ませんよ。でも、そのままには出来ませんよねえ」

僧侶「……治癒魔法」


463
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 22:27:17 ID:dyvHSL9.
僧侶さんは治癒魔法を詠唱し、手足の出血を止めた。
しかし、杭が刺さったままなので傷口は塞がらない。
さらに自分の体重が両腕に圧し掛かって肩を脱臼し、そのせいで胸に自重が乗って横隔膜の動きが阻害されている。
それによって呼吸がままならなくなり、僧侶さんは苦悶の表情を浮かべ続けている。


魔法使い「ああ……いい気分だわ。それじゃあ、魔力が尽きるまで頑張ってくださいね♪」

勇者「ぐっ……、僧侶さんっ!」


これで二人の自由を奪うことが出来た。
もう思うがままだ。


魔法使い「勇者さま、もう離しませんよ♪ 勇者さまが大好きなんです、私の気持ちに応えてほしいんです!」


464
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 22:29:17 ID:dyvHSL9.
勇者「魔法使いちゃん……、僧侶さんに何てことを!」

魔法使い「どうして? どうして、僧侶さんの心配をするの?」

勇者「魔法使いちゃん、精神感応に負けないでくれ! 僧侶さんを解放してくれ!」

魔法使い「私の気持ちだけに応えて! どうして、いつもいつも僧侶さんばかり見ているの!」


港町で水着を着たとき、勇者さまは僧侶さんの胸ばかり見ていた。
露天風呂に一緒に入ったときも、私ではなくて僧侶さんに興奮していた。
勇者さまは、いつも僧侶さんばかり見ている。
そんなの絶対に許せない!


魔法使い「勇者さまを射精させてあげたのは、私のほうが先なのに……。どうして、私じゃないんですか!」

勇者「あれはあくまでも学問として頼まれただけだし、俺は僧侶さんが好きだから!」

魔法使い「では、私のことは嫌いですか?」

勇者「そんなことはない。魔法使いちゃんのことは大切な仲間だと思ってる!」

魔法使い「嫌いじゃないなら、問題ありませんよね。今から、勇者さまをいっぱい射精させてあげます! そうしたら、私の気持ちに応えてくれますよね//」


466
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 22:58:39 ID:dyvHSL9.
勇者「それは違うだろ。もっと自分を大切にしてほしい――」

魔法使い「私だって、一人の女なんです。それを証明して、僧侶さんから奪い返してみせます!」


私は勇者さまに覆いかぶさり、唇を重ねた。
そして、強引に舌を絡ませる。


魔法使い「勇者さまぁ// ちゅっ、んっ、んんっ……」

勇者「くっ、止めるんだ」

僧侶「うぅっ……魔法使いちゃん。そんなことは……しな…………いで」

魔法使い「私、僧侶さんに言われて、ずっと二人の身体を見ていました。だから、分かるんです」

勇者「分かるって、何を……」

魔法使い「勇者さま、あの日から一度もしていないですよね。そのせいで淫夢を見て、夢精したことも知っています。僧侶さんがエッチをさせてくれないなら、私と一緒に気持ちよくなれることをしませんか//」


467
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 23:13:33 ID:dyvHSL9.
私は耳元であまく囁き、勇者さまの陰部を優しくさすってあげた。
すると、あっという間に勃起して陰茎が硬く大きく膨らんだ。
しばらく性行為をしていないせいで、射精への期待感を抑えることが出来ないのだろう。
男性の元始的な性欲が多くの女性を妊娠させることである以上、もはや私からのえっちなお誘いに抗うことは出来ない。


魔法使い「あはっ// 勇者さま、すごく大きくなってきましたよ。こんなに硬くして、私の中にいっぱい射精したいのかなあ」さわさわ

勇者「魔法使いちゃん、止めるんだ。こんなの間違ってる!」

魔法使い「間違ってると言うなら、どうして勃起しているんですか? 本当は私と交わってみたいと思っているんですよねえ。脳内物質と性反応を見れば、それくらいすぐに分かりますよ」

勇者「僧侶さん……」

魔法使い「あんな女のことなんて、私がすぐに忘れさせてあげますからね//」


私はいやらしい笑みを浮かべ、勇者さまのズボンを膝まで下ろした。
そして下着を脱がせると、そそり立つ陰茎が勢いよく飛び出してきた。
しかも、尿道口がすでに濡れている。


魔法使い「ふふっ、もう我慢できなくなっているみたいだよ//」




468
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 23:27:17 ID:dyvHSL9.
勇者「くそっ、大地斬!」


勇者さまは右手に魔力を宿し、床を叩いた。
しかし、その程度の魔法で私に勝てるわけがない。


魔法使い「あははっ♪ 勇者さまの技量では、剣がなければ私が使役する土精霊には勝てませんよ」

勇者「くっ……」

魔法使い「勇者さま、好きです。私のことだけを見てください//」


私はローブを脱ぎ、ブラジャーを外した。
程よく膨らんだ胸が露になり、期待と興奮が高まっていく。
そしてショーツを脱ぎ、勇者さまの腰に跨がった。
とろとろに濡れている陰唇が、ぬるりと陰茎を包み込む。


魔法使い「あんっ……はぁっ、いぃ。僧侶さん、見てますか~?」クチュクチュ

僧侶「もうやめ……て、いま…………あら、ゆう……ひてあえうから」

魔法使い「許してあげる? ふふっ、まだまだ元気ですねえ」


469
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 23:31:04 ID:dyvHSL9.
勇者「頼むから、もう止めてくれ! こんなことをしても、魔法使いちゃんが傷付くだけだ」

魔法使い「そんな事ないです。あぁん……好きぃ…………。勇者さま、勇者さまぁ//」ハァハァ

勇者「うくっ、これ以上は……」

魔法使い「もう射精しちゃうの? いいよ、たくさん出して。全部受け入れてあげるから」

勇者「!!」

魔法使い「いっぱい気持ち良くなって、私の中にたくさん出してくださいね//」


私は腰を浮かせて、陰茎を手で直立させた。
そして、ゆっくりと腰を下ろす。
しかし初めてのことで上手く挿入できず、膣前庭に亀頭が擦れてあまい嬌声が漏れてしまった。
何だかじれったくて、それが逆に気持ちがいい。


魔法使い「あぅん、もうすぐ一つになれる。勇者さまぁ、好きだよ//」


470
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 23:38:08 ID:dyvHSL9.
僧侶「破壊魔法!」

魔法使い「あ゛あ゛あああぁっ……!!」


突然両脚に激痛が走り、腰がすとんと落ちて身体が崩れ落ちた。
私はただれた皮膚と断裂された筋肉を回復し、振り返って僧侶さんを睨み付ける。
すると、磔にしたはずの僧侶さんが自由の身になっていた。
どうやったのか分からないけれど、すべての杭が足元に落ちている。


魔法使い「痛いわねえ! 私たちの邪魔をしないでよ!!」

僧侶「はあはあ……これでも手加減してあげたのよ」

勇者「破壊魔法って、まさか僧侶さんまで……」

魔法使い「それはそうと、磔にした状態からどうやって逃れたの?」

僧侶「さあ、どうやったのかしらね? これ以上は、魔法使いちゃんでも許しません。もう絶対に許さないっ!」


471
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/10(日) 23:57:18 ID:dyvHSL9.
魔法使い「また、私から勇者さまを奪うの?」

僧侶「魔法使いちゃんには、勇者さまを渡しません!」

魔法使い「私こそ、あなたを勇者さまと二人きりになんて絶対にさせない!」


だから南の都にいたとき、私は僧侶さんを二人きりにさせなかった。
告白するチャンスを与えなかった。

見つけられない、だまし絵のイルカ。
心の奥底から、ふつふつと妬みが湧き起こってくる。
どんなに納得させようとしても、この気持ちはもう抑えられない。

私はローブを羽織り、転移の羽を天にかざした。
これを使えば、僧侶さんをエルグの村に飛ばすことが出来る。
そうすれば、思う存分、勇者さまと気持ちを確かめ合うことが出来る!


472
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 00:02:53 ID:rjoHEwwQ
僧侶「転移魔法!」パッ

魔法使い「……えっ?!」


転移の羽をかざした瞬間、僧侶さんに奪われてしまった。
今まで何度か転移魔法を見せてもらっていたというのに、そのことを完全に失念していた。
どうにかして奪い返さないと、このままでは私が飛ばされてしまう。
それだけは絶対にいやだ!


僧侶「……ふふっ」

僧侶「転移の羽をこんなことに使おうとするだなんて、魔法使いちゃんは本当に勇者さまのことが好きなんだね。だけど、ここで帰るのは魔法使いちゃんだよ。あなたの役目はもう終わったから――」

魔法使い「私の役目?」

僧侶「そう……。私があなたの同行を許したのは、勇者さまが私の身体目当てだったからよ。だから優しく接して、いつも味方をしてあげて、あなたが帰らないようにしていたの。子供を連れて歩くことで、その気を起こさせないためにね」


その言葉に、私は驚きを隠せなかった。
僧侶さんの優しさは、すべて偽りだったのだ。
私のことを都合よく利用していただけなのだ――。


474
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 00:25:36 ID:rjoHEwwQ
魔法使い「それじゃあ、やっぱり私のほうが勇者さまに相応しいです!」

僧侶「いいえ、私は勇者さまを本気で好きになったの! その気持ちは、絶対に誰にも負けない!」

魔法使い「あなたは相応しくないです!」

僧侶「転移の羽はここにあるんだから、村に帰るのは魔法使いちゃんだよ」

魔法使い「いやだっ、風精霊召喚っ!」


私は激昂し、転移の羽に空気の刃を放った。
すると、込められていた魔力を霧散させながら転移の羽は舞い散った。


僧侶「……! 何てことをっ」

魔法使い「転移の羽がなければ、私を村に帰すことは出来ないわ!」

僧侶「だったら、死ぬ覚悟が出来ているということだよね」


475
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 21:51:09 ID:rjoHEwwQ
勇者「僧侶さん、やめろっ! そんなことをしたら取り返しがつかなくなる!」

僧侶「即死魔法っ!」

魔法使い「いやああぁぁあっっ……」


全身を激しい激痛が襲い、私は崩れ落ちた。
神経の伝達が阻害され、筋肉が痙攣を始めて呼吸がままならなくなる。
そして、悶えながら意識が遠退いて事切れた。

その瞬間、ブレスレットに加工されている賢者の石が一つ砕け散った。
契約者である私に新しい命を吹き込み、意識を取り戻す。
そして、再び耐え難い苦痛が襲ってきた。

意識が混濁し、また一つ賢者の石が砕ける。
死と蘇生を繰り返し、次々と命が消えていく。


476
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 21:54:35 ID:rjoHEwwQ
魔法使い「……治癒魔法!」


朦朧とする意識の中、私は必死に治癒魔法を詠唱した。
エメラルドの魔力と賢者の石を活用して、生体エネルギーの底上げを試みる。

それは、死に逝くことへの最後の抵抗だった。
生体エネルギーを増幅させれば、即死魔法を防御することが出来るかもしれないと思ったのだ。
そして効果があったのか、少しだけ身体が楽になった。


僧侶「そんなことをしても無駄よ。絶対に勇者さまは渡さないから!」

魔法使い「あなたには、絶対に渡さない。あなたは……信じられない」

僧侶「そう、たくさん可愛がってあげたのに。無駄な抵抗はやめて、早く死になさい」

魔法使い「死ぬのは、あなたよ!」


477
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:07:45 ID:rjoHEwwQ
魔法使い「土精霊……召喚!」


建物の壁から土を集め、太めの石槍をイメージした。
そして、それを床から突き上げた。

脚と脚の間。
僧侶さんの女性器めがけて、石槍を突き上げる。


僧侶「あ゛あ゛あああぁぁっ!!」


膣口を強引に突き上げ、濡れていない膣を血塗れにしながら突き進む。
さらに子宮の中に入るように石槍の角度を変え、膣口を裂いて無理やり子宮口へとねじ込んだ。
石槍が進むにつれて子宮が起き上がり、女性の象徴を傷付けていく。

その激痛に絶えられず、僧侶さんは悲鳴を上げて身を捩じらせた。
しかし、もがけばもがくほど石槍は子宮を傷付ける。
そして集中力を失ったのか、ついに即死魔法が止まってくれた。


478
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 22:40:59 ID:rjoHEwwQ
魔法使い「ゼェゼェ……、あなたにはそれがお似合いよ」

僧侶「……治癒魔法」

魔法使い「そんなことをしても無駄ですよ。それに、今度は重くて転移魔法でも動かせないですよね」


私は呼吸を整えて、僧侶さんの生体エネルギーを読み取った。
出血は止まっているが、内性器は傷付いたままだ。
激痛は消えず、未だにもだえている。


僧侶「う゛う゛うぅっ!!」


僧侶さんの脚が振るえ、膝が折れた。
それにより腰が下がって、石槍が子宮を貫く。
そしてそのまま、僧侶さんはズブズブとへたり込んだ。


479
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/11(月) 23:17:14 ID:rjoHEwwQ
僧侶「いやあ゛あ゛あああぁぁっ!!」


石槍の先端に、体重が圧し掛かる。
そして、体内を斬り裂きながら進んでいく。

消化管を斬って押しのけ、突き破る。
動脈を斬り、肉を斬り、体腔を血で満たす。
最後に心臓と肺に穴を開け、石槍は背骨で止まった。
体内に一本の串が通り、僧侶さんは苦悶の表情を浮かべながら脱力している。

その瞬間、装身具が二つ壊れたのを感じた。
修復魔法と蘇生魔法の装身具だ。

そしてまた、何かの魔法が発動して一つ壊れた。
どうやら、痛覚を麻痺させる神経系の魔法のようだ。


僧侶「げほっげほっ、ううっ……」

魔法使い「僧侶さん、奥の奥まで入っちゃいましたね。すごくエッチですよ//」

勇者「僧侶さん!! 魔法使いちゃん、もう止めてくれ! 止めてくれ……」

魔法使い「勇者さまは、そこで待っていてください。終わったら、続きを楽しみましょ♪」


481
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 00:00:23 ID:7T8/Xw3w
僧侶「…魔法使いちゃん……」

魔法使い「ふふっ、もう我慢できないの? ゆっくり動かしてあげるから、たくさん気持ち良くなってくださいね♪」

魔法使い「土精霊!」

僧侶「あ゛ああぁっ……んんっ」


石槍に笠状の刃を増やし、伸縮を繰り返した。
内臓を引き千切り、卵巣と子宮を押し潰す。
さらに血液と腸の内容物を、ぐちゃぐちゃにかき混ぜる。

しかし、それらは修復魔法で継続的に再生されている。
腸内環境も適正に管理されているようだ。
さっさと死ねばいいのに、よほど快感を味わっていたいらしい。

そんな僧侶さんに対して、私は石槍の伸縮を繰り返す。
お腹の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜて、女性として大切な生殖器を潰し続ける。


483
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 00:40:55 ID:7T8/Xw3w
僧侶「いやあ゛あぁっ、うぐっ……う゛ぐぅぅっ…………」


やがて赤黒い汚物が、体腔に溜まるようになってきた。
ついに、体内の再生が間に合わなくなったのだ。


魔法使い「あはは。身体の中、いっぱい濡れてきたよ。奥の奥まで挿入されて、気持ちよくなっちゃったんだ//」

僧侶「もう…やめ……」

魔法使い「あなたが妊娠するなんて、絶対に認めない! 勇者さまと愛し合うのは、絶対に私なんだから!」

僧侶「うぐっ……、んっ」

魔法使い「もう逝きそう? いつでも逝っていいよ」グチャグチャ

僧侶「魔法使いちゃん……」


もうすぐだ。
もうすぐ、この女を殺せる。
大好きな勇者さまと二人きりになれるんだ。


488
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 19:21:56 ID:7T8/Xw3w
魔法使い「早く逝っちゃえ、逝っちゃえっ!」


私は嗜虐的な笑みを浮かべ、石槍を太くした。
すると会陰部がぱっくり裂けて、動かすたびに内性器の肉片が掻き出されるようになった。
さらに赤黒い汚物が流れ出し、床を汚していく。


僧侶「…魔法使いちゃん……、もう気が……済んだ?」

ぐちゃぐちゃ.....

僧侶「私の背中を……押したこと、ずっと後悔していた……んでしょ。だから、こん……な殺し方をするんでしょ?」

魔法使い「何を言いたいの?」

ぐちゅ....

僧侶「本当は、もっと簡単に私を殺せるのに――」


489
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:15:58 ID:7T8/Xw3w
魔法使い「ええ、確かに簡単に殺せます。だけど、それだと私の気が治まらないじゃないですか!」

僧侶「どうして……こんなことを」


汚物臭い串刺しの女が分かりきったことを言い、ぐったりと力ない視線を向けてきた。
それなのに、口元はかすかに笑っているように見える。


魔法使い「私は本当は、二人の愛を受け入れるつもりでした。だけど、違ったんです。魔女さんが言ってましたよね」

『抑圧されていた心が、呪術で引きずり出されただけなんじゃないの?』って――。

魔法使い「それで気が付いたんです」

僧侶「……気が付いた?」

魔法使い「あなたが告白した日、本当は私が起きていることに気が付いていたはずです。それなのに、私の目の前で勇者さまと性行為をしたんです!」


起きているときと寝ているときの脳波の違いは、私でも分かる。
だから、気が付かなかったわけがない。
性行為が終わった後、この女は私が起きていると知った上で話しかけてきたのだ。


490
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:24:32 ID:7T8/Xw3w
僧侶「魔法使いちゃんに睡眠魔法は使いたくなかったの。精神感応系の魔法は身体への負担が大きいから――」

魔法使い「やっぱり気付いていたんだ。あなたは、私に見せ付けたかっただけなんですっ!」

勇者「魔法使いちゃん、俺も配慮することが出来なかった。俺が悪かったんだ!」

魔法使い「勇者さまは何も悪くありません。悪いのは勇者さまをたぶらかした、この女なんです!」

僧侶「……」

魔法使い「あなたの愛は偽りです! あなたは私から勇者さまを奪いたかっただけなんです。交わる姿を私に見せ付けたかっただけの、いやらしい女なんです!」

僧侶「奪ったことは認めるわ……。でも、背中を押してくれたのは魔法使いちゃんでしょ。それに、本当に気が付いていなかったの」

魔法使い「奪ったと自覚していることこそ、呪術の影響、偽りの愛の証拠じゃないんですか? だから、淫らなあなたに相応しい殺し方をするんです!」

僧侶「だから、こんな――」

魔法使い「そうですよ。太くて硬いものが挿入されて、すっごく気持ちいいでしょ? あはははは……」


491
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:40:14 ID:7T8/Xw3w
僧侶「魔法使いちゃん……。どうしても許せないなら、本気で私を殺せば良いわ。魔力は残り少ないし、修復魔法の装身具もこれが最後だから……」

魔法使い「もちろん、そうさせてもらいます」

僧侶「魔法使いちゃんの気持ちを知っていたのに、勇者さまを奪ってごめんなさい。私のこと、すごく妬ましかったよね……」


そう言うと、彼女の装身具が砕け散った。
修復魔法が解放され、石槍をよけて臓器が再生していく。
それと同時、何かの魔法が発動して装身具が砕け散った。


僧侶「……だけど、私は勇者さまを本気で愛しているの!」

魔法使い「それは偽り!」

僧侶「いいえ! この気持ちだけは、誰に何と言われても絶対に譲れない! だから、魔法使いちゃんに許してもらいたいのっ!」

魔法使い「それなら、私はあなたを殺します! そして、勇者さまを返してもらいます!」


492
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/12(火) 20:52:44 ID:7T8/Xw3w
魔法使い「土精霊、もう逝っちゃえ!!」

僧侶「ふふっ……」

魔法使い「えっ?!」


なぜか、土精霊の使役が出来ない。
まさか……、この違和感は封印魔法?!


僧侶「精神感応対策で、沈静魔法と修復魔法の装身具を使い切ったときに、魔法使いちゃんに対して封印魔法が発動するようにしていたの。だからもう……」

魔法使い「あはは、そんなことをすると石槍は抜けませんよ! だから、内臓を正常に修復することは出来ない。あなたは必ず死にます!」

僧侶「そうかしら……」

魔法使い「そうです!」

僧侶「魔法使いちゃん、ごめんね。私を許してくれないなら、殺すしかないよね。即死魔法!!」


495
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 21:43:14 ID:Kk0FG4jk
魔法使い「!! いやあぁぁっっ……」


生体エネルギーと魂が削り取られ、もだえながら崩れ落ちた。
魔法を封じられているので、治癒魔法を使えない。

命が尽きて、賢者の石が一つ砕けた。
そして、また一つ砕ける。
絶望的な速さで、賢者の石が砕けていく。

これがすべて砕けたら、本当に死んでしまうのかな……。
そうなる前に、この女を殺さないと!


魔法使い「殺す! 殺す、殺す、殺す……」


私は妬みと憤りを吐き出しながら、憎い女を睨み付けた。
すると、彼女は泣いていた――。


498
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 22:16:09 ID:Kk0FG4jk
魔法使い「どう……して…………」


目が合うと同時、彼女は儚げに微笑んだ。
そして即死魔法の勢いが衰え、身体がかなり楽になった。
ようやく、この女の魔力が尽きたのだ。


僧侶「殺して……いいよ。しな…………ないで」

魔法使い「……えっ?」


死なないで――。
その言葉と涙に戸惑った。

そういえばこの女は……、僧侶さんは精神感応に支配されている状況で謝ってくれた。
殺そうとしている私を気遣ってくれた。
こんなときでも、私のことを大切に想ってくれていた。

それなのに、
私は何をしているのだろう――。


499
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 22:36:17 ID:Kk0FG4jk
・・・
・・・・・・
天使『どんな理由があろうとも、命を奪うことは未来を奪うことだ。魔法使いちゃん、ただの村娘に過ぎないキミに、その犠牲を背負う覚悟があるのかい?』

魔法使い『私は無益な殺生で命を奪うことは、絶対にするべきではないと思います。だけど身を守るために、やむを得ない場合もあることを知りました。私は奪った命を無価値なものにするつもりはありません!』

・・・
・・・・・・
天使『魔法使いちゃん、苦しい思いをさせてごめんね。どんな理由があろうとも、命を奪うことは未来を奪うことだ。だからこそ命を奪う重さ、奪われる苦しみを知っておいてほしかったんだ』


私は天使さんに言われた言葉を思い出した。
それが、走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

殺さなければ、殺される。
だけど、本当にそれでいいの?
私は僧侶さんを殺してもいいの?!


501
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 22:56:17 ID:Kk0FG4jk
・・・
・・・・・・
魔法使い『実は私、山すその都にいたとき、すごく悩んでいました』

勇者『そのことは俺も気になっていたんだ。詳しいことは知らないけど、僧侶さんが相談に乗ってくれたんだろ』

魔法使い『はい、おかげで悩みは解決しました。僧侶さんのこと、優しいからすごく好きです』

勇者『まあ女僧侶だし、人を癒すことが仕事だからな。それで、どんなことに悩んでいたの?』

魔法使い『それは女の子の秘密ですよ//』

・・・
・・・・・・
魔法使い『お刺身がキラキラしていて、すごく美味しそうですね。この黄色いのがウニなのかなあ。客船のビュッフェもおしゃれで美味しいけど、豪快な大衆料理も良いですよね』

勇者『何だか魔法使いちゃん、僧侶さんみたいになってきたなあ』

魔法使い『だって、村では食べられない料理ばかりで幸せなんだもん♪』

僧侶『そうだよね。せっかく旅をしているんだから、存分に楽しまないと!』

魔法使い『はいっ!』


502
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 23:06:39 ID:Kk0FG4jk
・・・
・・・・・・
僧侶『私は勇者さまを好きになってしまったの。だから今、魔法使いちゃんの気持ちと向き合いたいと思ってる。魔法使いちゃんは、勇者さまのことをどう思っているの?』

魔法使い『そ、それは……ぃぃんです。僧侶さんが勇者さまを好きなら、それで良いんです』

僧侶『それで良いの?』

魔法使い『だって、勇者さまはいつも僧侶さんを見てるから……。どんなに頑張っても、私はまだ子供だから恋愛対象じゃないんです。でも私だって、もうすぐ結婚出来る歳だもん。僧侶さんが告白しないなら、私が誘惑しちゃいますから!』

僧侶『今言ったこと、後悔しないでね』

魔法使い『わ、分かっています。上手く行くと良いですね』

・・・
・・・・・・
僧侶『魔法使いちゃん、後悔してない?』

魔法使い『それは……』

僧侶『怒ってもいいよ。私は魔法使いちゃんの気持ちを知りつつ、勇者さまを奪ったんだから』

魔法使い『ううん、これで良いんです。私も僧侶さんの気持ちを知っていましたから……』


504
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 23:10:39 ID:Kk0FG4jk
僧侶さんの優しさは、私を利用して勇者さまを牽制するためのものだった。
ならば、勇者さまを好きになった時点で私は邪魔者になっていたはずだ。
それなのに、僧侶さんと過ごす時間はいつも心地よかった。
だから、私には分かる。
僧侶さんの優しさは偽りではなくて、本当の気持ちなのだと。

確かに僧侶さんは、私から勇者さまを奪ったかもしれない。
だけど、ちゃんと手順を踏んでくれていた。
それなのに、背中を押した私は心の奥底で妬み続けていたのだ。

だから、今度こそ本気で僧侶さんを選ぶ。
大好きな勇者さまを幸せに出来るのは、私ではなくて僧侶さんだから。
そして僧侶さんが幸せだと、私もうれしいから。


僧侶『魔法使いちゃん。新しい命を宿すのは素敵なことだし、私たちも愛し合える殿方と出会って授かりたいものですね』

魔法使い『はいっ!』


僧侶さんはこの旅で、愛し合える男性に出逢えたのだ。
二人の幸せを、
ううん、私たち三人の幸せを壊したくはないっ!


505
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/13(水) 23:18:17 ID:Kk0FG4jk
魔法使い「……土精霊、解放します!」


その言葉と同時、土精霊を宿していた装身具が崩れ落ちた。

勇者さまの拘束を解き、僧侶さんを串刺しにしている石槍を取り除く。
そして勇者さまに視線を送ると、勇者さまはきりっとした表情で頷き僧侶さんの元へと駆け出した。

ああ、やっぱり……。
やっぱり私と勇者さまは、心が繋がっている。
愛や恋ではないけれど、私のことを信じて想ってくれている。
それだけで十分だったはずなのに――。

勇者さまは汚物を厭うことなく、僧侶さんを抱きしめた。
すると僧侶さんは艶やかに微笑み、力なく勇者さまの背中に腕を回した。
その瞬間、最後の賢者の石が砕け散った。
そしてそのまま、私の意識は遠退いていった。


510
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 20:10:42 ID:HTPSCM1k
・・・
・・・・・・
僧侶「ぐっ……ううっ」


意識が明瞭としない中、僧侶はうめき声を上げながら勇者に身体を預けた。
そして外陰部から流れ出した汚物の上にへたり込み、強烈な痛みで顔を歪める。
刺さっていた石槍が抜けたので、筋肉や臓器に孔が開いたのだ。


勇者「僧侶さん、大丈夫?」

僧侶「私のことより、魔法使いちゃんは……」

勇者「大丈夫、気を失っているだけだから」

僧侶「違う……。失神じゃなくて、昏睡状態じゃないっ!」

勇者「昏睡?!」


僧侶は魔法使いに這い寄り、彼女の右腕を見た。
賢者の石はすべて砕け、ブレスレットだった物が紐だけになっている。
このままでは、魔法使いは決定的な死を迎えてしまう。


511
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 20:10:42 ID:HTPSCM1k
僧侶「お願いだから、死なないで。死なないで……」


僧侶は二つ目の蘇生魔法の装身具を手に取り、魔力を開放させた。
するとブローチが砕け散り、魔法使いに生体エネルギーが補填され始めた。
即死魔法で死んでしまえば蘇生は出来ないが、賢者の石のおかげで魂が宿っている今ならば助けられるかもしれない。
生と死を繰り返し昏睡状態になってしまっている今、もはや奇跡が起きてくれることを信じるしかない。


僧侶「げほっ、げほっ……はあはぁ」

勇者「僧侶さんっ!」


僧侶は咳き込み、大量の血を吐いた。
横隔膜が破れて呼吸の力が弱く、臓器や女性器からも出血が続いている。
このままでは力尽きるのも時間の問題だ。

蘇生魔法の装身具は、まだ一つ残っている。
しかし、蘇生することの出来る身体でなければ生き返ることは出来ない。
だから、何としてでも身体を修復する必要がある。
僧侶は魔法使いに精気が戻りつつあることを確認すると、残された魔力を振り絞って修復魔法を詠唱した。


512
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 20:19:32 ID:HTPSCM1k
・・・
・・・・・・
どれほどの時間が過ぎたのか、私はおぼろげに意識を取り戻した。
全身に虚脱感があり、ぐったりと起き上がる。
そして周囲を見回すと、心配そうに見詰める勇者さまと僧侶さんの姿があった。


魔法使い「……僧侶…さん」

僧侶「まほ……ちゃん」

魔法使い「私たち、助かったんだ……」

僧侶「――うん」

魔法使い「うわああぁぁんっ……」


私は感情が高ぶり、僧侶さんの胸に顔をうずめた。
そんな私を、僧侶さんが優しく包み込む。
それは今まで殺しあっていたとは思えないほど、慈愛に満ちていた。


513
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 20:27:55 ID:HTPSCM1k
たくさん泣き、気持ちが落ち着いた私は右腕を見た。
賢者の石がすべて砕け、ブレスレットがゴム紐だけになってしまっている。
つまり、砕けた石の数だけ殺されたことになる。


魔法使い「賢者の石、ゴム紐だけになっちゃいましたね」

僧侶「許してもらえるなんて思ってないわ。賢者の石が全部砕けるなんて、私は何回殺してしまったの――」


僧侶さんが力なく言った。
肩を落とし、顔には暗い影が落ちている。
そんな僧侶さんに、私は努めて明るく返した。


魔法使い「僧侶さん、私は死んでないから……。だから、大丈夫ですよ」

僧侶「大丈夫って、石の数だけ殺されたってことなのよ!」

魔法使い「賢者の石は砕けてしまったけど、私は生きています。それに、蘇生魔法があったとしても人の命は一つしかないんですよね?」

僧侶「それは……そうだけど…………」

魔法使い「つまり、私は一度も殺されていないんです!」


514
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 21:02:42 ID:HTPSCM1k
僧侶「また、そうやって我慢するの? 私のこと、本当は憎いはずでしょ」

魔法使い「我慢なんてしていません。僧侶さんは精神感応の影響を受けていても、私のことを想ってくれていました。そんな人を、どうして憎むことが出来るんですか?!」

僧侶「私は魔法使いちゃんを殺したのよ」

魔法使い「さっきも言いましたけど、私は殺されていません! そんなことより、私のほうが取り返しの付かないことをしてしまいました。どんなに償っても、償いきれないです」


僧侶さんは新しい命を宿すことに憧憬を抱いている。
そんな女性に対して、私は子宮と卵巣を潰して掻き出すという所業をしてしまったのだ。
魔法で修復が出来たとはいえ、とても許されることではない。


僧侶「魔法使いちゃんは好きな人を奪われて、さらに見せ付けられて……。ずっと辛かったんでしょ」

魔法使い「はい……。でも、私は本当に二人を受け入れるつもりでした。それなのに、私はあんなに残酷なことを――」

僧侶「魔法使いちゃん……」

魔法使い「赦してもらえるとは思っていません。だけど私は、私を想ってくれている僧侶さんが好きなんです。だから、勇者さまと幸せになってほしいんです!」


516
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 22:04:23 ID:HTPSCM1k
僧侶「勇者さまは、私を嫌いになりましたよね。醜悪で愚かな姿を見せてしまったから……」

勇者「僧侶さんは精神感応に支配されていたんだろ。俺の気持ちは変わらないし、僧侶さんを絶対に大切にするから」

僧侶「私は魔法使いちゃんを殺しました。勇者さまに相応しくありません」

勇者「僧侶さんは魔法使いちゃんのこと、精神感応で引き出された歪んだ狂気とさっきの本心から出た言葉、どっちを信じるんだ?」

僧侶「それは……」

勇者「正直言って、殺し合う姿を見ていることがつらかった。だけど、二人はそれ以上の信頼関係を築いていたんだなと感じることも出来た。そんな二人だからこそ、精神感応に打ち勝つことが出来たんだと思う」

勇者「ありのままの姿をも受け止めることが出来たなら、それだけ俺たちの絆は固く繋がることになるんじゃないかな」

魔法使い「私もそう思います。お互いに心の闇をさらけ出して、それでもまた向かい合うことが出来たのだから、賢者の石を消費しただけの価値があると思います。もう、それで良いじゃないですか」

僧侶「……」


518
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 22:41:54 ID:HTPSCM1k
勇者「魔法使いちゃん……。今回のことで、俺は魔法使いちゃんの気持ちを軽んじていたと思い知らされた。普段通りに接することが、正しいと思っていたんだ」

魔法使い「私は勇者さまが好きです。だから、以前は愛し合う二人を見て嫉妬していました。でも、今は温かい気持ちになれるんです。幸せそうだなって」

勇者「幸せそう……」

魔法使い「だから、私は今まで通りに接してほしいです。気持ちの整理をちゃんとしますから。さっきの事はすみませんでした」

勇者「そっか……、分かったよ。これからもよろしくね」

魔法使い「はいっ//」

魔法使い「僧侶さん。私がしたことを赦してくれるなら、私は私たち三人の幸せを大切にしたいです。これからも仲間として、大切な友人として一緒にいてほしいです。本当にごめんなさい!」

僧侶「いつの間にか、こんなに大きく成長していたんだね……。魔法使いちゃん、私のほうこそ本当にごめんなさい。そして、ありがとう。ありがとう……」

魔法使い「僧侶さん……、ありがとう」


520
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 22:51:19 ID:HTPSCM1k
僧侶「勇者さま、こんな私でも好きでいてくれますか?」

勇者「言っただろ、俺は僧侶さんを絶対に大切にするって。二人で一緒に幸せな未来を築いていこうな」

僧侶「はいっ、勇者さまのことが大好きです!」


僧侶さんは力強く言うと、勇者さまと唇を重ねた。
それを見て、私は妬みではなく、心からの笑顔を二人に向けた。


魔法使い「いつか私も、愛し合える男性に出逢いたいな//」

僧侶「魔法使いちゃんなら、素敵な人が見つかるよ」

魔法使い「そうかなあ」

僧侶「うん、絶対に大丈夫だよ」


521
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/14(木) 23:17:47 ID:HTPSCM1k
勇者「ところで、魔法使いちゃん……」

魔法使い「何ですか?」

勇者「そろそろ、服を着てほしいんだけど……」


そう言われ、私は自分の服装を確認した。
するとローブを軽く羽織っているだけで、ほぼ裸同然の姿だった。
胸や陰部など、見られると恥ずかしい場所が完全にはだけている。


魔法使い「わわっ// 脱いだままなの忘れてた!」

勇者「いつ気付くのかなと思っていたけど、忘れてたんだ……」

魔法使い「もう、いつまで見てるんですか//」


私は口を尖らせ、慌てて胸を隠した。
それを見て、勇者さまと僧侶さんが軽く笑う。
少し恥ずかしかったけれど、私はそれがとても心地よく感じた。


524
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 19:40:15 ID:mOOSMWJY
僧侶「勇者さま、着替え終わりました」

魔法使い「私も終わりました」


私たちは服を着替え、汚した床を軽く掃除した。
そして魔力が尽きてしまった僧侶さんに、私はエメラルドのネックレスを貸すことにした。


勇者「二人とも身体は大丈夫?」

僧侶「はい、もう大丈夫です。心配してくれてありがとうございます//」

魔法使い「私も大丈夫です」

勇者「そっか、良かったよ。もう見ていることしか出来なくて、気が気じゃなかったから……」

僧侶「本当に心配をおかけしました。それでその……」

勇者「んっ?」

僧侶「私の身体のことなんですけど、ちゃんと元気な赤ちゃんを産めますから// 私は天使にその実力が認められた女僧侶ですし、これからもよろしくお願いします」

勇者「そっか、子供か。結界の調査が終わったら、二人で落ち着いて話をしような」

僧侶「はい、勇者さま♪」


526
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 19:58:36 ID:mOOSMWJY
勇者「それじゃあ、精神感応の被害状況を確認しておこうか」

魔法使い「私は転移の羽と賢者の石を失いました。もう逃げられません。それと、土精霊の装身具を解放しました」

僧侶「私は魔法使いちゃんからネックレスを借りて、魔力の回復中です。用意した装身具も残り少ないです」


僧侶さんは勇者さまに内容を聞かれ、淡々と答えた。
残っている装身具は治癒魔法が三回分、そして蘇生魔法と破壊魔法の装身具が一回分ずつのようだ。


勇者「やっぱり、魔法使いちゃんが一番の問題だよな」

僧侶「そうですよね……。こんな形で転移の羽を失うとは、全然考えていなかったです」

魔法使い「すみません」

勇者「まあ、精神感応を打ち破ったんだから問題ないよ。みんなで帰れる訳だし、ポジティブに考えよう」

魔法使い「はいっ」


527
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 20:09:38 ID:mOOSMWJY
勇者「それで今後の方針だけど、ハノイの塔を確認したら、すぐに結界内から離脱しようと思う。今回の一件で精神感応の原因が分かったし、魔力を解放して情報を持ち帰るべきだと思うんだ」

僧侶「そうですね。一度戻って、態勢を整えましょう。それではパズルを解きますね」


僧侶さんはそう言うと、嬉々として迷路と向き合った。
通路を目でなぞり、スタートからゴールへと進んでいく。


魔法使い「その迷路を解くと、『Envy』という文字が浮かび上がるみたいですよ」

僧侶「そうみたいだね」


僧侶さんは旅袋からペンを取り出し、正解の順路を塗りつぶした。
すると文字が浮かび上がり、迷路に込められていた魔力が開放された。


勇者「見たことのない文字だけど、どういう意味なんだろ」

魔法使い「これは精霊神話以前の世界で使われていた言語なんです。専門外なので、自分でも読めたのが不思議なくらいで……」

勇者「そうなんだ。僧侶さんは分かる?」

僧侶「はい。七つの大罪の一つで、これは『嫉妬』という意味です。何だか、作為的なものを感じます」

魔法使い「つまり、その迷路は私の嫉妬心を煽るために用意されたということですか?」

僧侶「そうかもしれないわね。それが私たちに対して有効な攻撃手段として、精神感応の媒体に使われていたのだと思う」


529
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 22:08:08 ID:mOOSMWJY
魔法使い「あの、それっておかしくないですか。私たちが来ることを知っていて、私たちに対して神の遺産を用意出来るのは――」

勇者「天使や女神しかいないだろうな」

魔法使い「そうなんです」

僧侶「そうなると、精神感応はなくならないことになるわね」

魔法使い「あっ、そうか! この迷路が私たちに対して用意されたのなら、魔女さんたちが来たときも、魔女さんたちに対して迷路が用意されたことになりますよね!」

勇者「つまり、次の部隊が来たらそれに対して新しい迷路が用意されるということか」

僧侶「……はい、精神感応はなくなりません」

魔法使い「それと闇の結界に入った瞬間に違和感を感じたので、もしかすると呪術でここに来るように誘導されていたのかもしれません」

勇者「そんなことまでされていたのか――。とりあえず、精神感応が消えないと分かっただけでも部隊編成に有効な情報だな。二人とも、ありがとう」

僧侶「ところで、女神はこんなことをして何をしたいのでしょうか。精神感応の目的が不明です。あっ、ソリティアも完成しました♪」

勇者「精神感応で殺し合わせる目的か。何がしたいんだろ」

魔法使い「そういえば、天使さんが私たちのことを『試される者』と言ってましたよね」

勇者「精神感応で何かを試しているのかな」

少女「あらあら、駄目じゃない。ここで生き残れるのは一人だけなんだよ」


531
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 22:24:00 ID:mOOSMWJY
・・・
・・・・・・
部屋の入り口から女性の声が聞こえ、勇者たちは慌てて顔を上げた。
すると、そこには魔法使いが立っていた。
いや、魔法使いと同じ服を着た少女だ。
勇者は彼女から人ならざる者の気配を感じ、声を荒らげる。


勇者「お前は何者だ!」

少女「私はここを管理する者です。さあ、裁きの続きを始めましょう!」

勇者「裁き……だと?」

少女「変身魔法、洗脳魔法!」

魔法使い「えっ……?! いやっ、いやあ!」


魔法使いの悲鳴と同時、転移魔法が詠唱されて魔法使いが消失した。
そして障壁魔法で闇のカーテンが作られ、魔法が解除されると二人の魔法使いが立っていた。


533
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 22:42:07 ID:mOOSMWJY
魔法使い『勇者さま御一行の絆をあまく見ていたわ。まさか、精神支配を乗り越えてしまうだなんてね』

勇者「お前の目的は何なんだ!」

魔法使い『君たちと問答するつもりはない』


二人の魔法使いが声を揃えた。
それは完全に同じ声で、外見上の特徴で二人を見分けることは出来ない。


僧侶「魔法使いちゃん!」

魔法使い『君たちにとって、この子は特別な存在だよね。何があっても死なせられない。だから、そこに弱点が生まれる』

魔法使い『さあ、私だけを選んで殺すことが出来るかしら? 見せてもらうわ!』

僧侶「そんな、やっと心から分かり合えたのに……」

勇者「くそっ! 精神感応といい、なんて卑劣なんだ」


534
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 22:54:46 ID:mOOSMWJY
魔法使い『それじゃあ、行くわよ!』

勇者「くっ……」


魔法使いたちは用意していたナイフを抜き、二人で勇者に切りかかった。
精霊魔法を使わずに接近戦を選ぶのは、剣で殺されることが出来る間合いに入るためだろう。
そして、本物の魔法使いが殺されることを期待しているのだ。
突き出される二本のナイフを、勇者が両手でいなす。


勇者「魔法使いちゃん、止めるんだ!」

魔法使い『あはは、あははははは』

勇者「ぐっ!」


魔法使いのナイフが勇者の腕を掠めた。
さらに、もう一方が的確に急所を狙って刺し込んだ。


535
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/15(金) 23:05:53 ID:mOOSMWJY
魔法使いは体術全般が苦手だ。
だから、急所を狙ったほうが偽者かもしれない。
しかし両者とも、勇者にナイフを当てることが出来ている。
やはり、ナイフ術で特定することは困難だ。


僧侶「勇者さま! 防御魔法、治癒魔法!」

勇者「僧侶さん、ありがとう」

魔法使い『ほらほら、殺さないと殺されるよ。勇者さまに仲間を斬る覚悟はあるのかしら』

勇者「くっ……」


シュンッ
しかし、剣は空を斬る。


魔法使い『しっかり狙わないと、私は倒せないよ』

勇者「無理だ……。魔法使いちゃんを斬れるわけがない」


539
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 16:26:15 ID:rETjP0.6
勇者「僧侶さん! どっちが魔法使いちゃんか、魔法で分からないか?」

僧侶「そんな都合の良い魔法は――」

勇者「人以外に治癒魔法を使えないなら、それで天使の識別が出来るだろ」


魔法で識別する。
どうして、そんな簡単なことを思い付かなかったのだろう。
僧侶は精神を集中させて、二人の身体構造を読み取った。

左手側を攻めているのは、人間。
身体構造の特徴は、間違いなく魔法使いだ。
という事は、右手側を攻めているのが偽物だということになる。

……えっ?!
念のために右手側を攻めている偽者を確認すると、彼女も魔法使いだった。
身体構造と生体エネルギーの分布、そして遺伝情報。
そのすべてが完全に一致している。


541
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 16:38:33 ID:rETjP0.6
僧侶「勇者さま、無理です……」

勇者「無理?」

僧侶「はい……、どっちも本物なんです。正真正銘、本物の魔法使いちゃんなんです!」

勇者「そんなバカな!」

魔法使い『ふふっ、遺伝子レベルで同じ身体に変身する魔法。服は有り合わせだけど、まるっきり同じだから見分ける術はない!』

僧侶「でも、人と同じ状態なら私の魔法が届きますよ!」

魔法使い『また私を殺すの? もう賢者の石がないのに……』

僧侶「それは……」

魔法使い『あはは、君たちは私を殺せない。精神支配を乗り越えるほどの絆のせいで、私に殺されるのよ。いいわ、いいわぁ』


542
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 16:59:02 ID:rETjP0.6
勇者「そうだ、僧侶さん! 二人に魔法が効くなら、眠らせれば良いじゃないか」

僧侶「でも……」

魔法使い『ほらほら、よそ見をするなんて余裕だね』

勇者「くっ……」


精神感応系の魔法は、身体への負担が大きい。
だけど、今は非常事態だ。


僧侶「……分かりました。睡眠魔法!」


しかし、睡眠魔法は効かなかった。
あらかじめ精神状態を固定して、魔法による神経作用を受け付けないようにしているのだろう。
それはつまり、戦闘が長引けば長引くほど、魔法使いの精神が消耗していくことを意味している。


543
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 17:10:02 ID:rETjP0.6
僧侶「勇者さま、駄目です。睡眠魔法が効きません」

魔法使い『あはは。確かに、あなたは人間の域を超えている。だけど、所詮は人間なのよね。私の精神支配には勝てない』

勇者「だったら、俺が取り押さえるまでだ!」

魔法使い『捌くだけで手一杯のあなたが、二人同時に? 仮にそれが出来たとして、どうやって偽者だけを拘束するの?』

勇者「それは後で考える!」

魔法使い『分かってないのね。洗脳魔法は身体や脳への負担が大きいの。だから私を殺さないと、この子は死ぬ』

勇者「死ぬって、冗談だろ……」

僧侶「恐らく、本当だと思います」


拘束しただけでは、絶対に魔法使いを特定できない。
しかし特定して殺さなければ、魔法使いは人の力を超えた魔法で死んでしまう。
そもそも精神感応を作り出しているのは、この偽物かもしれない。
ならば、今後の戦略のために倒す必要がある。


545
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 17:27:17 ID:rETjP0.6
僧侶「勇者さま……。私は覚悟を決めました」

勇者「覚悟って……」

僧侶「魔法使いちゃんなら、私を信じてくれるはずです」

魔法使い『ふふっ、なんて身勝手なの? 殺そうとしてくる仲間なんて、信じられるわけがないじゃない!』


二人の魔法使いが、同時に切りかかってきた。
やはり、どちらが偽者か分からない。

だけど、そんなことは今は関係ない。
出来ることをするだけだ。
大切な親友を守るために――。


546
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 19:07:26 ID:rETjP0.6
右と左から、ナイフが突き出された。
しかし、僧侶には二本のナイフをいなす技術がない。
激しく動いている物体は運動エネルギーの処理が難しいので、転移魔法を使うことが出来ないのだ。
ならば、ナイフを破壊してしまえばいい。


僧侶「金属破壊っ!」


左手側から突き出されたナイフの刃が触れた瞬間、魔力で金属を特定して刃を破壊した。
それに戸惑い、魔法使いたちは動きを止めた。


魔法使い『錬金術も使えるの?!』

僧侶「魔法使いちゃんには話したことがあるはずですけど――」


そう言うと、僧侶は刺してきた魔法使いに向けて右手を差し出した。
まるで握手を求めるかのような動きに、魔法使いは反応が遅れる。
その瞬間、僧侶は腰に下げているナイフを転移させた。
そして、力強く握り締めて突き刺した。


548
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 19:18:16 ID:rETjP0.6
魔法使い「うああぁぁっ! そ、僧侶さん、痛いよ……痛いよお!」

僧侶「破壊魔法!」


彼女の呻き声を気にせず、さらにツインテールの右側を破壊した。
そのせいで束ねている髪の毛が不揃いになり、左右のバランスが変になる。


勇者「そ、僧侶さん! もし本当の魔法使いちゃんだったら、どうするつもりだ!」

僧侶「魔法使いちゃんは、初歩的な治癒魔法を使えるから大丈夫です」


その言葉通り、呻いていた魔法使いは僧侶が刺したままにしたナイフを抜いて回復した。
そして、そのナイフを構える。
それを見て、僧侶は思案めいた。

なぜ偽者は、治癒魔法を使う必要があったのだろうか。
もし本物の魔法使いだった場合、このまま殺してしまっても良かったはずだ。
刺されたのが偽者だったからか、それとも治す必要がある偽者だと思わせるためか。
どちらにしても、この情報では特定することは出来ないようだ。


549
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/17(日) 19:40:30 ID:rETjP0.6
魔法使い1「僧侶さん、私を本気で殺そうとするなんて酷いです!」

魔法使い2「正気でそんなことが出来るなんて、もうあなたのことは信じられないです!」

僧侶「よく聞いて、偽者さん。魔法使いちゃんを見分けられるように、ツインテールの本数で区別することにしました」

魔法使い『ツインテールの本数?』

僧侶「私は絶対に、魔法使いちゃんを特定して助けてみせます!」

魔法使い1「髪を切ったくらいで特定できる訳がないでしょ」

魔法使い2「そうそう。それにしても、転移魔法や錬金術は厄介だよね」

魔法使い1「じゃあ、魔法を使えないようにしてあげましょう」

魔法使い『封印魔法!』

僧侶「えっ、しまった!」


554
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 18:49:16 ID:LJqVxN96
魔法使い2「あははは、一気に行くわよ! 障壁魔法!」


闇の障壁が視界を隠す。
次の瞬間、僧侶は首を切り裂かれた。

頚動脈から血液が噴出し、切り裂かれた気管から呼気が漏れる。
治癒魔法が自動で発動し、装身具が一つ砕け散った。
これで治癒魔法を宿した装身具は、残り二つだ。


魔法使い2「あれっ、死なないんだ。僧侶さんは、あと何回殺せば死ぬのかなあ」

僧侶「げほっげほっ……ぜぇぜぇ。すぅはぁ……」

勇者「やめろっ!」


勇者が割って入り、ツインテールが一本の魔法使いに剣を振り下ろした。
しかし迷いがあるからか、動きに切れがない。
あっさりかわされ、逆に魔法使いたちに切られてしまった。


555
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 19:00:27 ID:LJqVxN96
僧侶「治癒魔法!!」

勇者「僧侶さん、すまない……」

魔法使い1「あはは、勇者さま。勇者さまのことが大好きだよ」

魔法使い2「だから私の処女を、その大きなモノで貫いてほしいな。そんなものが入ってきたら、すぐに逝っちゃいそう。ねえ、私の愛を受け止めて」

勇者「くそっ、どうすればいいんだよっ!」

僧侶「勇者さま、今から私が偽物の正体を暴きます」

勇者「そんなことが出来るのか?!」

僧侶「はい。だから、勇者さまは私が特定した偽物を斬ってください」

勇者「……分かった。でも、もし間違えていたらどうするんだ」

僧侶「そのときは、もう一方も斬ればいいだけなんです。本物の魔法使いちゃんは、後で蘇生させます」


557
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 19:39:48 ID:LJqVxN96
勇者「それ、本気で言っているのか?!」

僧侶「もちろんです。治癒魔法と蘇生魔法、破壊魔法の装身具が一つずつ残っています。だから、絶対に成功します」

勇者「そんな理屈が通るわけないだろ!」

僧侶「私たちには、もう後がないことも分かってください! 勇者さま、私を信じてください!」


僧侶は勇者に厳しい視線を向けた。
こんなものは作戦とは呼べない、ただの蛮行だと分かっている。
だからこそ、それが相手に油断を招かせることになる。


勇者「……分かった」

僧侶「実はさっきの攻撃で、どちらが偽者か確信できました。ツインテール一本が偽者なんです」

勇者「ツインテール一本が偽者?」

僧侶「はい、間違いありません」


559
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 20:19:28 ID:LJqVxN96
魔法使い1「へえ、興味深い作戦だね。根拠はあるの?」

魔法使い2「とか何とか言って、私も殺すんでしょ。作戦なんて、ないのと同じじゃない……」

僧侶「根拠はあります。二人の魔法使いちゃんは、記憶や感情を共有していません。錬金術のことを知らなかったことが、その証拠です」

魔法使い『記憶や感情……ねえ』

僧侶「そして、二人は攻撃に移るときの体運びが微妙に違います。それは、勇者さまのことが好きだからだと思います。だから、本物は攻撃にためらいが出るんです」

魔法使い『だって、私は勇者さまが好きなんだもん// 僧侶さんに取られるくらいなら、殺しちゃったほうが良いに決まってるでしょ』

僧侶「最後に、私は今までずっと魔法使いちゃんと過ごしてきました。その時間を信じます。だから、偽者はツインテールが一本のほうなんです!」


560
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 20:25:26 ID:LJqVxN96
魔法使い『ええっ?!』

魔法使い1「そんな理由で、私を偽者呼ばわりするの?!」

魔法使い2「というか、その三段論法は何なの?!」

僧侶「私は論理的だと思いますけど」

魔法使い1「勇者さまは、こんな主観だけで私を殺すの?」

魔法使い2「一度でも間違えたら、絶対に後悔するわよ!」

勇者「くっ……」

魔法使い『分かりました。それがあなたの答えなんですね』

僧侶「はい」

魔法使い『それじゃあ、お遊びは終わりにしましょう。障壁魔法!!』


561
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 21:40:19 ID:LJqVxN96
闇の障壁で視界を塞がれ、ナイフが突き出された。
激痛と同時に治癒魔法が発動して、最後の装身具が壊れる。
さらに、腕を切られた。
だけど、痛みで呻いている暇はない。

闇のカーテンから抜け出すと、僧侶は魔法使いたちが着ている『ローブ』を確認した。
それは明らかに異変が起きていた。

僧侶がナイフで刺したのは、ツインテールが一本の魔法使いだ。
それなのに、今はツインテールが二本の魔法使いが『破れたローブを着ている』のだ。

障壁魔法で見えなくなっていたのは一瞬だった。
その間に攻撃をしながら着替えることは困難だろう。
つまり、何らかの理由で二人の髪型が入れ替わったことになる。


563
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:02:07 ID:LJqVxN96
僧侶「偽者はツインテール二本のほうね!」

魔法使い『えっ?!』

勇者「僧侶さん、話が違う!」

僧侶「破壊魔法!!」


それと同時、破壊魔法の装身具が崩れ落ちた。
そして、偽者の魔法使いの内臓を破壊していく。
その激痛にツインテールが二本の魔法使いは崩れ落ちた。


魔法使い2「うぐっ、ぐあ゛あ゛ああぁぁぁっ!」

魔法使い1「……!」

魔法使い2「僧侶さん、どうして私なの?! やめて、やめてええぇぇっ!!」


もだえ苦しむ、ツインテールが二本の魔法使い。
私は間違えていない、間違えていない……。
僧侶は自分にそう言い聞かせ、勇者に力強く声を掛けた。


565
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:22:57 ID:LJqVxN96
僧侶「勇者さま! 覚悟を決めてください!」

勇者「分かった。僧侶さんを信じるよ!」


ツインテールが二本の魔法使いに、勇者が剣を向ける。
そして、小さな身体を大きな剣が貫いた。


魔法使い2「ゆ、勇者さま……ごほっ。私、私は……」

勇者「魔法使いちゃん……」

魔法使い2「勇者さまと幸せ……に、なりたかった」

僧侶「同情を誘うのはやめてください」


僧侶は冷たく言い放った。
ツインテール二本の魔法使いは涙を流し、苦しそうにもがいている。
その間、ツインテールが一本の魔法使いは沈黙していた。


566
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:23:40 ID:LJqVxN96
勇者「もう元の姿に戻れ。これ以上、魔法使いちゃんの苦しむ姿を見せないでくれっ」


その声はとても震えていた。
私は二人にとって、なんという残酷なことをさせているのだろう。
偽者とはいえ、私は勇者さまに魔法使いちゃんを斬らせてしまった。
本物の魔法使いちゃんは、これを見て何を感じているだろうか。

僧侶はツインテールが一本の魔法使いに悲しい視線を向けて、もだえ苦しむツインテールが二本の魔法使いに視線を落とす。
血溜まりの中に浮かぶ彼女は死が迫り、虚ろな眼差しで手足を痙攣させている。


僧侶「戻らないと死にますよ。私は確信していますから」

魔法使い2「……」


僧侶の忠告も空しく、その瞳から生気が消えていく。
それでも、勇者と僧侶は彼女が偽者だと信じて、その死を見届ける。
やがて変身魔法が解け、その正体を現した。


567
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:42:12 ID:LJqVxN96
少女「どうして、髪を切っただけで分かったの……」ゼエゼエ

僧侶「私が目印をつけたのは、髪型だけではありません。魔法使いちゃんを刺したのは、ローブを切り裂くためなんです」

少女「ローブを切り裂くため?」

僧侶「はい。二人の髪型が入れ替われば、髪型とローブの破れが一致しないことになります。そして私のナイフを持たせたのも、ナイフの交換に注意を向けさせて着替えさせないためです」

少女「そういうこと……か」

僧侶「……もう分かりますよね」

僧侶「私はツインテール一本を殺すと宣言したので、偽者のあなたは焦ったはずです。だから、目隠しをしている間に変身魔法でツインテールを二本に戻して、魔法使いちゃんの髪をナイフで切って入れ替わったのです」

僧侶「その一方で、もし入れ替わりがなければ、ツインテール一本の魔法使いちゃんは殺されてもいいことになります。だから、髪型とローブの破れが一致するツインテール二本の魔法使いちゃんが偽者だと分かります」

勇者「なるほど。どちらにしても、ツインテールが二本の魔法使いちゃんが偽者だと分かることになるのか」

僧侶「はい」


568
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:45:27 ID:LJqVxN96
勇者「でも、その作戦には穴がある。髪形を同じにされたら手詰まりじゃないか」

僧侶「だから、私は実際に刺したのです。本気で殺すつもりがあると印象付けるために――」


勇者が殺せなくても、僧侶なら剣を奪って攻撃してくるかもしれない。
二人とも殺せばいいという作戦を、彼女ならば実際に行うかもしれない。
偽者にそう思わせることで、髪型を同じにするという選択肢を奪ったのだ。


少女「あの作戦や三段論法には、そんな意味があったのか」

僧侶「別に洗脳魔法を使わなくても、思考は誘導できるのです。刺したのが魔法使いちゃんじゃなくて、ほっとしました」

勇者「そういうことは、事前に打ち合わせをしてくれないと困るんだけど」

僧侶「敵の前で打ち合わせなんて出来ないじゃないですか」

勇者「……そうだな」

少女「まさか、この私が初歩的な論理パズルに引っかかるなんてね」

僧侶「それでは偽者さん、魔法使いちゃんを返してください!」

少女「どうやら、返さない訳にはいかない……か」


569
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:51:55 ID:LJqVxN96
勇者「最後に、いくつか聞きたいことがある。お前の主は女神なのか? 一体ここで何をするつもりなんだ!」

少女「ご明察の通り、私の主は女神さまです。そしてここの目的は、すべての理性を解き放ち、試される者たちの罪を裁くことです」

僧侶「罪というのは、嫉妬ですか?」

少女「そうですね。しかし、その罪は赦されました。仲間を想う信頼と知恵、特別にそれを汲んであげましょう」

勇者「つまり、女神は俺たちに殺し合いをさせるために神託を下して、加護を与えているのか?!」

少女「それは私の役目を超えています。赦された者よ、最後の試練を乗り越えてくれることを期待していますよ」


少女はそう言うと、光に包まれて転移した。


570
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 22:57:59 ID:LJqVxN96
・・・
・・・・・・
魔法使い「あれっ……私、どうしちゃったの」


私は意識を取り戻すと、周囲を見回した。
そして、僧侶さんのナイフを手にしていることに気が付いて困惑した。
何だか頭が痛くて、不思議な少女が現れた後のことを上手く思い出すことが出来ない。


魔法使い「そ、僧侶さん……私」

僧侶「もう大丈夫だよ。勇者さまが勝ったから」

魔法使い「それって、どういうことですか? それに、どうして私は僧侶さんのナイフを持っているんですか」

僧侶「操られていたときのことは、まったく覚えていないのね」

魔法使い「えっ、操られていた?!」

勇者「実は――」


571
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 23:00:05 ID:LJqVxN96
魔法使い「そういうことがあったのですね」

勇者「そうなんだ」


事の経緯を聞き、私は髪の毛を触った。
確かに、ツインテールが片方だけになっている。


魔法使い「勇者さまが可愛いって、褒めてくれたのにな……」ショボン

僧侶「ごめんね。魔法使いちゃんを特定するために、それ以外に思いつかなくて……」

魔法使い「そっか……、勇者さまが守ってくれたんだ」

僧侶「うん、きっとそうだね」

魔法使い「あの、もう片方の髪を勇者さまに切ってもらってもいいですか?」

僧侶「魔法使いちゃんがそれで納得できるなら、それでもいいよ」


572
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/18(月) 23:04:21 ID:LJqVxN96
魔法使い「髪を切るのは、この僧侶さんのナイフでお願いします」

勇者「分かった。じゃあ切るよ」


私は持っていた僧侶さんのナイフを、勇者さまに手渡した。
勇者さまの気を惹くためにしていた、ツインテール。
それに今、勇者さまの手で僧侶さんのナイフが向けられている。

パサッ・・・


魔法使い「……あっ」


そして、勇者さまへの想いが裁ち切られた。
私はシュシュを外し、短くなった髪の毛を下ろす。


魔法使い「ありがとうございました」

勇者「アクティブな印象で可愛いよ」

魔法使い「ふふっ、また勇者さまに褒められました♪」


これで前に進むことが出来るのだと思う。
私はショートボブになった髪の毛を触り、僧侶さんに笑顔を向けた。


575
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:09:12 ID:rKhMjef.
魔法使い「ところで、勇者さま。賢者さんを探しに行きませんか?」

勇者「賢者さんを?」

魔法使い「はい。ここは旅館ですし、もしかしたら別の部屋に遺体があるかもしれません。出来れば、弔ってあげたいんです」

僧侶「そうだね。私もそうしたいです」

勇者「……分かった。あの天使は最後の試練があると言っていた。精神感応の危険はなくなったけど、結界の中にいることは忘れないようにしよう」

魔法使い「はいっ!」

僧侶「魔法使いちゃん、賢者さんを見つけてあげましょうね」


576
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:09:12 ID:rKhMjef.
賢者さんを探すことになり、私たちは旅館の探索を始めた。
しかし、どの部屋も鍵が掛かっていて中に入ることが出来ない。
もう壊すしかないと考えていた頃、不思議な部屋を見つけた。


魔法使い「勇者さま、この部屋から魔力を感じます」

勇者「魔力?」

魔法使い「はい、神の遺産があるかもしれません」

僧侶「入ってみましょうか」

勇者「そうだな」


勇者さまがドアノブに手を伸ばす。
なぜか鍵は掛かっておらず、普通に扉が開いた。
そして中に入ると、異様な光景が目に飛び込んできた。


僧侶「!!」

魔法使い「ああっ、むごい……」


577
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:13:45 ID:rKhMjef.
部屋に入って最初に見たのは、人間の手足だった。
四肢と胴体を八つ裂きにされた裸の男性が、床に転がっていたのだ。
血溜まりが固まって赤黒い染みになり、内臓がごろりとこぼれ出している。
しかも切断された男性器が、ぐちゃぐちゃに踏み潰されていた。

さらにこの部屋にはベッドがあり、その上で全裸の女性が殺されていた。
全身が血肉にまみれ、喉元にはナイフが突き立てられたままになっている。
そして女性は性行為をしていたらしく、その相手をしていた男性が繋がったままの状態で下腹部だけにされていた。
もしかすると、飛び散っている血肉は彼の身体なのかもしれない。
私はその衝撃的な光景に、顔から血の気が引いた。


僧侶「……腐敗が進んでますね」

勇者「ああ。しかも男のほうは、もはや原型を留めていないしな……。この女性に見覚えはあるか?」

魔法使い「…おぷっ……」

僧侶「魔法使いちゃん、大丈夫? 気分が悪いなら、無理しなくてもいいんだよ」

魔法使い「うぅっ、だ……大丈夫です」


578
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:15:45 ID:rKhMjef.
異臭と嫌悪感で吐き気を催し、目から涙が溢れ出してきた。
それでも、私は現実から顔を背けることはしなかった。
ベッドの上で殺されていた女性が、賢者さんだったからだ。

喉元に突き立てられたままのナイフ。
胸や腹部には何度も刺された痕があり、張りがあっただろう皮膚は網状に変色している。
強姦されて抵抗する彼女を、魔力と命が尽きるまで執拗に刺し続けたのだろう。
そして同じく強姦されていた魔女さんが、男二人を殺したのだ。

強姦されながら殺された賢者さんは、死に逝く中、一体何を思っていたのだろうか。
二人の男性を殺した魔女さんは、こんなにも残酷な殺し方をするほど、心が追い詰められていたのだろうか。
私はやるせない想いが込み上げ、歪んだ情欲に潜む悪意をまざまざと感じさせられた。


579
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:19:13 ID:rKhMjef.
勇者「まさかとは思ったけど、やっぱり賢者さんだったのか。そうなると、この遺体がバトマスたちか……。魔女さんから聞いてはいたけど、さすがにこれは――」

僧侶「精神感応の影響があったとはいえ、ここで起きたことを想像すると恐ろしいです」

勇者「そう……だな。女神は俺たちに殺し合いをさせて、一体何をさせるつもりなんだ!」

僧侶「それは分かりません。だけど、この部屋にも神の遺産があったみたいですね」


僧侶さんが指を差した場所を見ると、棚の上に神の遺産が置かれていた。
勇者さまが歩み寄り、神の遺産に手を伸ばす。
この部屋にあったパズルも、迷路とペグ・ソリティアだった。


僧侶「この迷路、私たちが入った部屋にあった物と形が違いますよ」

勇者「言われてみれば、そうだな。つまり、俺たちとは違う答えになる迷路ということか」

僧侶「はい。精神感応がなくならないという仮説は、これで正しかったことが裏付けられたことになります」

勇者「女神の使いが言っていた話も、これで信憑性が出てきたわけか」

僧侶「そうですね」


581
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 19:41:21 ID:rKhMjef.
勇者「それで、この迷路の答えは何なんだ?」

僧侶「えっと……、迷路の答えは『Lust』。七つの大罪の一つで『色欲』です」

勇者「色欲か」

魔法使い「この人たちは、女性のことを性欲処理の道具だとしか考えていなかったんですね。男女が結ばれることは、素敵なことのはずなのに……」

僧侶「そうかもしれないわね。だけど、私たちもついさっき経験した通りだよ」

魔法使い「……」

僧侶「人は理性を失うと、こんなにも愚かで残忍な生物になってしまうの。だからこそ絆を大切にして、命の尊さを理解しないといけないのだと思う。私も魔法使いちゃんも、今以上にね――」

魔法使い「そう……ですね。こんなの、あまりにも残酷すぎます」

僧侶「魔法使いちゃん。賢者さんの魂が安らかに眠れるよう、改めてご冥福を祈りましょうか」

魔法使い「はい……。あのっ、出来れば賢者さんのお墓を作ってあげたいです。加害者の男性と一緒なのは、どう考えても可哀想なので」

僧侶「そうだね。そのナイフは遺品として預かっておく?」

魔法使い「はい、そうします」


583
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 20:18:33 ID:rKhMjef.
~極南の村・丘~
賢者さんの遺体を近くにあった丘まで運び、そこにお墓を作ることにした。
本当は教会で弔ってあげるのが良いのかもしれないけど、ここでは土葬くらいしかしてあげることが出来ない。
それでも旅館に放置されたままになること思えば、遥かにマシだろう。


僧侶「賢者さんの魂が安らかに眠れるよう、ご冥福をお祈りします」

魔法使い「ご冥福をお祈りします」

勇者「二人とも、ちょっと良いかな」

僧侶「何ですか」

勇者「実は気になることがあるんだ」

僧侶「気になること?」


585
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 20:36:18 ID:rKhMjef.
勇者「賢者さんたちがここに来たのは、一週間ほど前のはずだろ。建物を管理する者がいるのに、遺体が放置されたままになっていたのはおかしいと思わないか」

僧侶「言われてみれば、気になりますねえ」

魔法使い「どういうことですか?」

勇者「推測だけど、仲間同士で殺し合わせるために、遺体がそのまま放置されているんじゃないかな」

魔法使い「遺体と殺し合う?!」

勇者「砂漠にいた時、白骨化した骸骨と一戦を交えただろ。それと同じで、後続の部隊が死んだ仲間と向き合って、どのように乗り越えるかを試すつもりなんだと思う」

僧侶「私たちは第一陣だから、遺体ではなくて魔法使いちゃんが操られたわけですね」

勇者「そう考えると、やっぱり放っておけないだろ」

僧侶「でも、鍵の掛かっている部屋には入れませんよ。それに、遺体があるとは限らないと思います」

魔法使い「仮に遺体があったとしても、運び出して埋葬するというのは現実的じゃないですよね」

勇者「それはまあ、そうなんだけど……」


586
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 20:54:09 ID:rKhMjef.
――「おやおや、素敵な相談をしているようだね」

魔法使い「!!」


その声に驚いて振り返ると、翼の生えた天使が立っていた。
その姿は忘れはしない。
訓練施設の最上階で戦った、大天使ガブリエルだ。


勇者「お前は、いつぞやの天使!」

天使「やあ、久しぶり。一部始終を見させてもらったが、魔法使いちゃんも頑張っているようだね。治癒魔法の勉強を始めたのかい?」

魔法使い「は、はいっ」

天使「なるほどね。それにしても、まさか精神支配を突破するとは思わなかったよ。キミたちなら、最後の試練を乗り越えてくれそうだ」

魔法使い「最後の試練?」

天使「それは追い追い分かることだよ」


587
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 20:56:06 ID:rKhMjef.
勇者「お前に聞きたいことがある。俺たちに殺し合いをさせて、女神は何をしようとしているんだ!」

天使「その話は後で聞こう。僕が賢者さんご一行の遺体と対面させたのは、人間がいかに残酷で罪深い存在なのか、キミたちに思い知らせるためだ」

勇者「何のために」

天使「人間は本当に生きる価値があるのか、判断させるためにね」

僧侶「そんなことのために遺体を弔わず、尊厳を奪ったのですか!」

天使「彼女たちの尊厳を奪ったのは、彼女たち自身じゃないか」

僧侶「あなたたちが、そうさせたんです!」

天使「いや、それが人間の本質なんだ。本当に生きる価値があるのか、よく考えておくといい。キミたちなら答えられるはずだ」


今、天使さんが語っているのは、命の大切さではない。
人間に存在する価値があるのか、私たち人間に問うているのだ。
まさか、私たちがその判断をすることになるのだろうか――。


588
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 21:43:13 ID:rKhMjef.
天使「ところで、どんな相談をしていたのか、僕にも話してくれないかな」

魔法使い「実は亡くなった方を弔いたいのです」

天使「なるほど、それは困ったね。じゃあ、弔ってあげるよ」

魔法使い「えっ、本当ですか?!」

天使「もう必要ないからね。土精霊、隕石召喚!」


天使さんが魔法を詠唱すると、巨大な隕石が降ってきた。
それはまばゆい光を放ちながら、私たちの頭上を通り過ぎていく。
そして村に落下し、強烈な空震が周囲を吹き飛ばした。

ズドオオオォォンッ!

閃光が闇に飲まれ、爆音が響く。
やがて衝撃が治まると、村がきれいに無くなっていた。


589
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 22:02:24 ID:rKhMjef.
天使「整地完了! こんな感じでどうだい?」

僧侶「な、何てことを……。あの建物には、たくさんの亡くなった方々が――」

天使「手伝ってあげたのに、ひどい言い草だね」

僧侶「ひどいって、村が一つなくなったのですよ!」

天使「天使の恩寵があって、今頃は喜んでいる頃だと思うけどなあ。魔法使いちゃんも、彼女を土精霊の下敷きにしていたじゃないか」

魔法使い「人聞きの悪いことを言わないでください。土精霊の下敷きにしたのではなくて、私たちがしたのは埋葬ですからっ」

勇者「まあ、大天使が弔ってくれたわけだし、これでみんなの魂が安らかに眠れることを祈るばかりだよ」

僧侶「はあ……、そうですね。皆さんが安らかに眠れることを願います」

魔法使い「安らかに眠れますように……」

天使「僕たちとしても、この結果は残念だよ」

魔法使い「天使さん、ありがとうございました」


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 22:30:05 ID:rKhMjef.
天使「そういえば、僕に聞きたいことがあるんだっけ」

勇者「ああ、そうだ。俺たちに殺し合いをさせて、女神は何をしようとしているんだ」

天使「女神さまの目的は、人々を救うことに決まっているじゃないか」

勇者「人々を救うだと?! 女神がこの闇を作り出して、俺たちに殺し合いをさせているんじゃないのか」

天使「ははっ、驚きの推理だね。女神さまが闇を作り出しているのなら、人間に加護を与える必要なんてないじゃないか」

魔法使い「まさか、女神さまは統計学的に判断しようとしているのですか。人間に生きる価値があるのかどうか――」

天使「その通りだ。人間に生きる価値がある事を立証して人々を救うことが、女神さまの目的なんだ」


女神の加護とは、母集団である『世界中の人間』から無作為に抽出された人間を調査するために、標本であることを識別するためのものだったのだ。
そして、女神さまは精神感応の影響を受ける者と受けない者を混ぜて実験し、統計学的に母集団の性質を判断しようとしているのだ。
しかし現状では、好意的な結論は期待できないだろう。


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 22:33:13 ID:rKhMjef.
天使「それはそうと、この間のメッセージは理解することが出来たかい?」

勇者「世界への侵入者を排除してほしい、という意味で良いのか?」

天使「その表現が正しいとは思えないけど、そう思ってくれても差し支えないだろう。キミたちには、この闇を取り払ってほしい。それもまた、女神さまから加護を受けた者たちの役目だ」

勇者「闇を取り払う?! じゃあ、女神が闇を作っている訳ではなかったのか」

天使「無礼にも程があるよ。そのために、生きる価値があることを期限までに示してほしい」

勇者「それが最後の試練ということか」

天使「ああ、そうだ。犠牲になった命を無価値なものにしないために、それらを未来に繋げてほしい」

魔法使い「分かりました!」

勇者「そうだな……。当初の目的通りか」

僧侶「ところで、期限とはハノイの塔のことですか?」

天使「そう、もうすぐハノイが完成する。精神支配を乗り越えたキミたちなら、それが出来ると信じているよ」

僧侶「私たちがやるしかないみたいですね……」


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 22:42:47 ID:rKhMjef.
天使「僧侶さん、闇に打ち勝てたキミに我々からのプレゼントだ」


そう言うと、天使さんの右手に正十二面体が現れた。
とてもカラフルで、目に楽しい立体だ。


僧侶「これは……?」

天使「正十二面体は宇宙を表している。これは、その広大な宇宙を模した回転パズルだよ」

僧侶「これが宇宙なんですか?!」

天使「面が回転するものは特に難しいけど、すべての色を揃えてほしい。ただのイミテーションだから、気分転換にでも気軽に遊んでくれたまえ」

僧侶「ありがとうございます!」

魔法使い「いいな~。バラバラの状態だけど、カラフルできれいなパズルですね」

僧侶「対角線が星型で、デザインが良いよね。ここを回して揃えていくみたいだよ」

魔法使い「へえ、どの面も回るんだ。これは難しそうですね」


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 22:57:14 ID:rKhMjef.
天使「魔法使いちゃん」

魔法使い「はいっ」

天使「キミには僕の羽根をあげよう。特別な魔法効果があるわけじゃないけど、魔法使いちゃんの未来に天使の恩寵があるようにね」


水鳥の羽根よりもさらに白い、純白の羽根。
それは見ているだけで、心が澄んでいくようだった。


魔法使い「わわっ、天使の羽根だなんて……。絶対に大切にします!」

天使「まあ、僕の翼を吹き飛ばしてくれたこともあったけど」

魔法使い「それはその……ごめんなさい」アセアセ

天使「いいよ、楽しかったから。キミたちが闇を取り払ってくれること、期待しているよ」

魔法使い「はいっ、頑張ります!」


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 23:10:56 ID:rKhMjef.
勇者「で、俺には?」

天使「えっ? ないよ」

勇者「ま、マジか! 攻略アイテムとか、そういうものは……」

天使「女神さまの加護があるのに、天使に出来ることなんて何もないだろ。それくらい、察してほしいんだけど」

勇者「くっ……」

魔法使い「勇者さまには僧侶さんがいるし、私もいます。それで良いじゃないですか」

僧侶「そうですよ、勇者さま。私たちがいるじゃないですか」

勇者「ああ、そうだったな。二人が居てくれたら心強いよ」

僧侶「もちろんです//」

勇者「それじゃあ、俺たちの最後の目的地、極南の地に向かおうか」

僧侶・魔法使い「はいっ、勇者さま!」


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以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/19(火) 23:14:21 ID:rKhMjef.
第9話 おわり

・迷路
・ソリティア

・論理パズル

(正十二面体パズル)
・Starminx 2


勇者「ドーナツの世界?!」第10話を読む
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